公募研究
アミロイド線維の核形成反応は、アミロイドーシスや神経変性疾患などアミロイド線維の沈着を伴う一連の疾病群の発症に深く関与すると考えられている。この反応は多くの場合線維形成反応全体の律速となっているが、一旦核が形成するとアミロイド線維は自己触媒的に成長、増殖し発病に至る。そこで本研究では、アミロイド線維形成反応の核形成段階のなかで、伝播性をもつ核が形成する際にどのようなタンパク質分子の会合が進行し秩序構造を形成するのかについてのメカニズムを明らかにすることを目的としている。H28年度は、インスリン配列由来のアミロイド性ペプチド断片について、線維前駆中間体が明確に蓄積するアミロイド線維形成経路を明らかにした。そこでH29年度は本経路についてCDとDLSを用いた時分割的な構造変化の観察を実施し、線維前駆中間体が構造発達するプロセスの解明を試みた。その結果、線維前駆中間体は2種類存在すること、さらに超音波パルスを活用することで2番目に生成する中間体のみが核を生成できる構造であることを見つけた。さらに上述の線維前駆中間体の持つ特性を明らかにするため、領域内での共同研究により固体NMRや小角X線散乱を用いた詳細な構造解析を開始した。また、連携研究者である山本直樹博士の協力によりテラヘルツ分光法を用いた水和水の解析を試み、モノマー体、線維前駆中間体、アミロイド線維の解析を実施した。その結果、わずかであるが各構造状態により水和構造が異なるという結果が得られ、アミロイド線維形成に伴い水和状態が変化する可能性が示唆された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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