公募研究
本研究ではロタ、サポ、ノロウイルスに代表される無エンベロープウイルスが、どのような動的秩序によって一定のウイルスゲノムを格納した正確なウイルス粒子を形成して行くのかを、最先端の電子顕微鏡技術を用いた構造解析から明らかにする。そして、生体分子における新しい自己組織化のモデルを構築する。1)in vivo解析:細胞内で形成されるロタウイルスの電子線トモグラフィー解析細胞内構造解析では、細胞内に3種類のロタウイルス形成過程粒子を同定することができた。2)in vitro解析:サポおよびマウスノロウイルスのウイルス様中空粒子(VLP)およびマウスノロウイルスの感染型(Virion)粒子を効率的に作製することができたので、これを用いてクライオ電子顕微鏡の単粒子構造解析を行い、サブナノメートルの分解能でウイルスキャプシドの構造を得ることができた。
2: おおむね順調に進展している
ロタウイルスのin vivo解析では、ウイルス形成初期において本ウイルスが持つ11本のRNAセグメントの構造を確認することができ、それに加えて3種類のウイルス形成過程の構造を同定できたことは大きな進捗である。また、サポ、マウスノロウイルスのin vitro解析では、VLPの高分解能マップが得られた事に加えて、Virionの構造マップも得られたことは構造をこれらの構造を比較することが可能になった点で大きな進歩である。
今後は、in vivoおよびinvitro解析においてさらに高分解能の構造マップを解析するとともに、X線結晶構造を電顕マップにフィティングすることによって、それぞれの分子とその相互作用の様子を同定し、動的秩序形成過程を明らかにするとともに生体分子の自己組織化モデルの構築を進める。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件)
Scientific Reports
巻: 7 ページ: 44176
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Proc Natl Acad Sci USA
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Sci Rep
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