公募研究
1.イオンポンプロドプシンの多量体構造の決定: 様々な微生物型ロドプシンを高速AFM法と円二色性(CD)分光法により網羅的に解析し、脂質膜に再構成された状態での多量体構造を決定した。高速AFM観察により、GR、KR2、FR、KrActR、QsActR等の真性細菌で見出された微生物型ロドプシンはリング状の5量体を形成しており、GPRは5量体と6量体が共存していることがわかった。また、センサリーロドプシンであるSRII、ハロロドプシンNpHRなどの古細菌型ロドプシンは三量体であることがわかった。一方、内向きH+ポンプであるPoXeRやセンサリーロドプシンASRは真性細菌で発見された微生物型ロドプシンであるが、アミノ酸残基の相同性からは古細菌型に分類され、実際多量体構造は三量体であった。また、CD分光で観察される三量体と五量体に特徴的なスペクトルは多量体構造に依存したレチナールの配向で説明できることもわかった。これらの結果から、微生物型プロドプシンの多量体構造は進化系統樹と深く関わっている一方、イオンポンプのイオン種や向きと相関がないことがわかった。2.KR2の光誘起構造変化の観察の観察: 外向きNa+ポンプであるKR2の光誘起による構造変化の観察に向けて、KR2五量体の観察面の決定およい高解像観察に適した試料の調製を行った。野生型に比べて光サイクルが100以上遅いN112A変異体を高解像観察しながら、周期的な光照射を照射したが明瞭な構造変化は観察できなかった。このことから、BRとは異なり、KR2の光サイクル中には大規模な構造変化は起きていない可能性が示唆された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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