研究領域 | ニュートリノフロンティアの融合と進化 |
研究課題/領域番号 |
16H00877
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
郡 和範 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (50565819)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 21cm線 / 再電離 / 原始ブラックホール |
研究実績の概要 |
平成28年度は、以下の2つプロジェクトを行った。
(1) 宇宙論的な21cm線観測を用いた、小さなスケールでの密度ゆらぎの理論整備 (2) 宇宙論的な21cm線観測を用いた宇宙再電離のメカニズムの解明と、それによる21cm線のシグナルの正確な理論整備
(1)について、特に最近話題になっている重力波を発生させるブラックホール連星を原始ブラックホールを用いて作る理論において、小さなスケールでの密度ゆらぎが大きいことが要請される。このシナリオを将来の21cm線観測でチェックするための理論整備を行った。(2)について、特に原始ブラックホールに降着するガスからの紫外線放射による宇宙再電離のメカニズムの理論計算のための理論整備を行った。また、P.D. Serpico氏との共同研究により、降着円盤からの紫外線放射により宇宙背景放射のスペクトル変形の影響を調べ、観測から原始ブラックホールの個数密度についての情報を引き出す定式化を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
フランス・アヌシーのLAPTh研究所と共同研究することにより、そこの専任研究者であるP.D. Serpico氏との研究打ち合わせを行った。彼は原始ブラックホールに降着するガスの降着円盤に興味を持っている。そのため、降着円盤からの紫外線放射による宇宙再電離のメカニズムの理論計算において飛躍的な進展があったため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は将来の21cm線観測を用いたニュートリノ物理の探査のための理論整備を行う予定である。これは、昨年度のテーマである、(1) 宇宙論的な21cm線観測を用いた、小さなスケールでの密度ゆらぎの理論整備(2) 宇宙論的な21cm線観測を用いた宇宙再電離のメカニズムの解明と、それによる21cm線のシグナルの正確な理論整備と、密接に関わっている。もちろん連携して進める予定であったが、(1)と(2)は前年度に飛躍的に進んだため、個別に進める予定である。計画通りに進まない場合、共同研究者はもとより、21cm線の理論研究の第一人者であり、申請者と親交のあるハーバード大CfAのA.Loeb教授に応援を頼む予定である。
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