公募研究
本年度は、Twisted二層グラフェンにおける量子輸送現象解明に向けて、以下の研究を推進した。・複合原子層作製作業の自動化:これまでTwisted二層グラフェンの作製作業は何れの研究室においても研究者の手作業により行われていた。研究の進展とともに、求められる素子構造が膨潤し、研究活動時間が圧迫される悪循環が生じていた。この問題を解決するため、ファンデルワールス接合構造の作製工程を自動化する自律ロボットシステムを開発した。本システムの利用により、1200枚の単層グラフェンを4時間で自動探索し、グラフェンとhBNを交互に8時間で30階積層することが可能となった。遷移金属カルコゲナイドも含む様々な二次元結晶が利用可能で、作製した素子は既存の最高品質素子に並ぶ高品質を示した。・Twisted2層/3層グラフェンにおけるHofstadter's Butterflyの観測:自律ロボットシステムを用いることで結晶方位をTwistした2層/3層グラフェンを作製した。電気伝導特性評価を行ったところ、2層/3層グラフェンの結晶格子が構成するモアレ超格子の影響により、素子中に形成されたサブバンドに由来する電荷中性点が観測された。磁場を印加したところ、各サブバンドから生じるランダウ準位が交差したHofstadter's Butterflyを初めて観測した。現在、海外の理論研究グループと共同で実験データの解析を進めている。・3層グラフェンにおけるランダウ準位反交差:Twist角制御による運動量空間におけるバンド構造変調の理解を深めるため、3層グラフェンを舞台として面内磁場印加による電子波動関数の運動量空間における平行シフトを導入した。単層グラフェン様バンドと2層グラフェン様バンド混成を実験・理論の両面から解明した。・共同研究:ケンブリッジ大学・産業技術総合研究所に高品質試料の提供を行った。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 5件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Nature Communications
巻: 9 ページ: 1413
10.1038/s41467-018-03723-w
Nano Letters
巻: 18 ページ: 2530
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Journal of Physics: Conference Series
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Physical Review Letters
巻: 119 ページ: 186802
10.1103/PhysRevLett.119.186802
Physical Review B
巻: 95 ページ: 241403
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2D Materials
巻: 4 ページ: 041007
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