公募研究
研究代表者らは、研究期間内で、金属触媒による分子変換反応のメカニズムを、量子化学計算を用いて検討した。(1)Rh-BINAP触媒による水素移動反応の経路探索メントール不斉合成のキーステップであるRh(BINAP)+錯体とN, N,3-trimethylbut-2-en-1-amineの反応経路の探索を、反応物を人工的に押しつけることにより遷移状態を予測し反応経路を見つけるAFIR(人工力誘起反応)法とONIOM法を組み合わせて行った。さらに、得られた複雑な反応経路ネットワークから、Primの決定論的アルゴリズムを用いて、そのグラフを抽出し最小全域木(minimal span tree)を求めた。各経路のエネルギーを比較したところ、会合機構に比べて解離機構が有利であることがわかった。(2)Ni触媒によるC-O結合活性化反応の経路探索Ni触媒によるメトキシナフタレンとフェニルボロン酸エステルとのC-O結合活性化を伴うクロスカップリング反応を開発し2008年に報告された。PCy3を配位子として加えたときの反応ではCsFが必須である。ただし、カルベン配位子ICyを用いたときには、CsFは不要である。DFT計算(BP86-D3汎関数)を行い反応機構の検討を行った。C-O結合の配位子の電子的効果を検討した。(3) ほかにも、インドール置換のサレンCu(II)錯体の1電子酸化体の電子状態および、Cu(I)―プロリノール協同触媒存在下C-H結合活性化反応におけるエナンチオ選択性における弱い非共有結合(分散相互作用)の重要性について成果を出した。
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 6件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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