研究領域 | 高難度物質変換反応の開発を指向した精密制御反応場の創出 |
研究課題/領域番号 |
16H01023
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 洋平 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (60608785)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アミン / 酸化的付加 / クロスカップリング / C-N結合活性化 / 計算化学 / アジリジン / 立体特異的反応 / 位置選択的反応 |
研究実績の概要 |
本研究では、応募者が既に得ている初期的知見を基に、様々な環員数(3~6)の飽和環状アミン類のC(sp3)-N単結合活性化へと展開し、アミノユニットを無駄にしない触媒的アミン変換反応を開発すること、ならびにテーラーメイドな触媒(反応場)創製による反応の効率化・新反応の開発を目指している。今年度は、2-アリールアジリジンの位置選択的、かつ立体特異的な開環を伴う炭素-ホウ素結合形成クロスカップリング反応の開発研究に関して論文(Chemical Science)にまとめた。触媒サイクルに関する理論計算(共同研究)からは、アジリジンのPd(0)錯体への酸化的付加で生じる双極性中間体と水との反応でヒドロキシパラジウム中間体を生成する過程において、3分子の水が水素結合ネットワークを形成することで遷移状態の安定化に寄与していることが明らかとなった。また、いくつかの領域・外との共同研究に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アジリジンの位置選択的・立体特異的開環を伴うC-C、C-B結合形成クロスカップリング反応の開発には成功しているが、当初予定していた他のC-E結合形成反応や環拡大反応開発の条件探索に苦戦しており、全体的に計画から少し遅れをとっている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況にあるように、今年度は反応条件探索に時間を要した。しかし、理論計算との共同研究により、反応プロファイルの特徴が分かりつつある。今後は、当該計算結果を実験系にフィードバックした条件探索を続けていく予定である。
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