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2017 年度 実績報告書

多重量子ドット系の幾何学的対称性を利用したナノスケール多極子物性の創出

公募研究

研究領域J-Physics:多極子伝導系の物理
研究課題/領域番号 16H01070
研究機関静岡大学

研究代表者

古賀 幹人  静岡大学, 教育学部, 教授 (40324321)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード強相関電子系 / メゾスコピック系 / 多極子 / 量子ドット / 近藤効果 / パリティ混成 / スピン軌道相互作用
研究実績の概要

研究計画の2年目にあたる今年度の前半は、本学術領域と関連する2つの国際会議(2017年7月開催の強相関電子系国際会議、9月開催のJ-Physics国際ワークショップ)に向けて、これまでの多重量子ドット系のスピン電荷制御の理論を発展させ、特に「反対称スピン軌道相互作用」によるスピンと軌道の結合について調べた。具体的には、三角形三重量子トッド系において、ドット・リード接合による近藤効果、外部磁場および局所電場によって、量子ドット系内の誘起電気分極およびスピンを反転制御する可能性について明らかにした。また、この反転をもたらす2つの量子状態の変化は、近藤効果の強結合・弱結合状態の競合と密接に関係することを明らかにした。本研究で調べた、多重量子ドットの閉じたループがつくる分子軌道とスピン多重項とが絡み合う物性は、将来的に量子ドット系における多極子物性とそれを利用したスピン電荷制御の研究へと発展すると期待される。
また今年度の後半は、本学術領域の重要課題である多極子に起因する非フェルミ流体状態を精力的に研究した。特に、結晶場三重項による近藤効果について、Pr原子を磁性原子として含む重い電子系で重要視されている四極子と伝導電子系との結合について調べた。主な研究結果として、磁場で誘起される四極子モーメントの温度依存性が、非フェルミ流体的特性として磁気モーメントと同様のべき異常を示すことを見出した。本研究の成果については、今年度末に開催された領域全体会議において口頭発表した。さらに内容を精査して論文として出版する予定である。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Spin and charge controlled by antisymmetric spin-orbit coupling in a triangular-triple-quantum-dot Kondo system2018

    • 著者名/発表者名
      Mikito Koga, Masashige Matsumoto, Hiroaki Kusunose
    • 雑誌名

      Physics B

      巻: 536 ページ: 226-229

    • DOI

      10.1016/j.physb.2017.08.033

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 結晶場多重項に起因する非フェルミ流体状態における多極子物理2018

    • 著者名/発表者名
      古賀幹人
    • 学会等名
      J-Physics 多極子伝導系の物理 平成29年度領域全体会議
  • [学会発表] 反対称スピン軌道相互作用と近藤効果によるスピン電荷制御2017

    • 著者名/発表者名
      古賀幹人
    • 学会等名
      J-Physics 多極子伝導系の物理 トピカルミーティング 拡張多極子研究の進展と課題
  • [学会発表] Spin and charge controlled by antisymmetric spin-orbit coupling in a triangular-triple-quantum-dot Kondo system2017

    • 著者名/発表者名
      Mikito Koga, Masashige Matsumoto, HIroaki Kusunose
    • 学会等名
      The International Conference on Strongly Correlated Electron System
    • 国際学会
  • [学会発表] Antisymmetric spin-orbit coupling effect on a triangular-triple-quantum-dot Kondo system2017

    • 著者名/発表者名
      Mikito Koga, Masashige Matsumoto, HIroaki Kusunose
    • 学会等名
      International Workshop on Multipole Physics and Related Phenomena
    • 国際学会
  • [備考] 静岡大学:教員データベース ー 古賀幹人 (KOGA Mikito)

    • URL

      https://tdb.shizuoka.ac.jp/RDB/public/Default2.aspx?id=10102&l=0

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公開日: 2018-12-17  

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