公募研究
蛍石型化合物 AuAl2,AuGa2,AuIn2 の順良単結晶をブリッジマン法で育成し,dHvA 効果の実験を行った。実験結果は J-Physics の代表者の播磨尚朝氏のバンド計算結果と 90% 以上一致していたが,小さなフェルミ面に差異があった。次にパイライト型化合物に関しては,J-Physics メンバーの松田達磨氏との共同研究で CuS2 と CuSe2 の高温高圧下での単結晶育成にチャレンジした。両化合物とも良質な単結晶で,残留抵抗比 RRR = 100 であった。フェルミ面の性質が明らかになった。更にウルマナイト NiSbS と荷電子数が同じパイライト型のAuSb2 の純良単結晶育成にも成功した。AuSb2 のフェルミは NiSbS のフェルミ面に良く似ていて,NiSbS では結晶反転対称性の破れを反映して,4種類のそれぞれのフェルミ面が2つに分裂していることが明らかにされた。ウルマナイト型化合物では,前述の NiSbS 以外に反強磁性体 EuPtSi の純良単結晶育成に成功し,J-Physics メンバーの榊原俊郎氏の協力の下で磁気的性質が明らかにされつつある。カイラル構造に基づくスピンフラストレーションを反映して,ネール点は 4.05 K と低く,しかも1次に近い相転移であった。更に興味深いことには,反強磁性相の中に閉じた磁気相が存在することを見出し,同じ結晶構造でスカーミオンとして知られる MnSi に因んで,A相と名付けた。この A相で磁化に関係な異常ホール抵抗以外の新たなホール抵抗が見出された。現在 A相を明らかにすべく J-Physics メンバーの協力の下,中性子散乱,共鳴X線散乱,NMR等の実験が行われている。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 4件)
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