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2017 年度 実績報告書

新しい重力理論の探求と修正重力理論の観測的検証に関する理論研究

公募研究

研究領域なぜ宇宙は加速するのか? - 徹底的究明と将来への挑戦 -
研究課題/領域番号 16H01092
研究機関東北大学

研究代表者

成子 篤  東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (80749507)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード暗黒エネルギー / 縮退した運動項 / ベクトル場
研究実績の概要

本年度は、初年度に定式化を行った新しいベクトル場の理論「Extended Vector-Tensor Theory」(以下 EVT 理論) に基づく宇宙論に関する研究を行なった。
EVT理論とは、拡張型重力理論の分野に置いて近年活発に議論されている、「縮退した運動項」という概念をベクトル場の理論に応用したもので、Maxwell 理論や有質量ベクトル場の理論である Proca 理論を一般化したものである。
他方、「縮退した運動項」の概念をスカラー場に適用したものは DHOST 理論と呼ばれるが、その理論を宇宙論に適用すると、重力ポテンシャル、もしくは重力波に不安定性が現れることが知られていた。そこで、EVT 理論を暗黒エネルギーの模型の1つとみなせるかどうか、また不安定性の起源が「縮退した運動項」という理論構造そのものに基づくものか、スカラー場の理論に特有なものか、これらの点を明らかにするために EVT 理論における宇宙論について調べた。
まず一様等方宇宙の動力学について調べたところ、様々な解が存在するが、その中でも宇宙の加速膨張を引き起こす解が実際に存在することが確かめられた。次に、宇宙に存在する星や銀河などの起源となる、非一様非等方な構造のふるまいについて調べた。宇宙論的線形摂動論を用いて、いわゆるスカラー・ベクター・テンサー型のゆらぎをそれぞれ解析したところ、全てのモードが不安定性なく健全にふるまうパラメータが存在することがわかった。
本結果は、「縮退した運動項」を持つスカラー場の理論に現れたゆらぎの不安定性は、スカラー場の理論に特有なものでしかなく、広汎な「縮退した運動項」の理論全体が宇宙に適用できる可能性があることを強く示唆する。今後、本研究で得られた結果を引き金にして、「縮退した運動項」の理論を用いた宇宙論に関する研究が活発に行われていくことが期待される。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] Current status of cosmology and the theory of gravity2018

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Naruko
    • 学会等名
      FRIS discussion meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] Extended Vector-Tensor theories2017

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Naruko
    • 学会等名
      ICGAC-XIII and IK15
    • 国際学会
  • [学会発表] Dark Energy and Modified Gravity2017

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Naruko
    • 学会等名
      Rencontres du Vietnam: Cosmology 2017
    • 招待講演
  • [学会発表] Extended Vector-Tensor theories2017

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Naruko
    • 学会等名
      COSMO 17
    • 国際学会
  • [学会発表] Dark energy model after detection of gravitational waves2017

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Naruko
    • 学会等名
      Issues on Large Scale Perturbations from Inflation
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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