平成29年度においては両親媒性高分子担体に担持した遷移金属錯体や遷移金属ナノ粒子を触媒とする酸化還元型有機分子変換反応および炭素ー窒素結合形成を伴う環化付加反応の開発を中心課題とし,またその連続フローシステムへの展開について検討を加えた。 その結果,親媒性高分子担持白金ナノ粒子触媒を用いカルボニル基の還元反応を実現し,そのフロー化に成功した。また同高分子担持銅錯体触媒あるいは同高分子担持デンドリマー配位子によって安定化した銅コンポジットを創製し,水性媒体中でのHuisgen反応によるトリアゾール環形成反応に成功した。 さらにこのHuisgen環化付加反応をフロー化し,水中でのアセチレンガスを用いた1置換トリアゾール合成に展開した。
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