研究領域 | 太陽地球圏環境予測:我々が生きる宇宙の理解とその変動に対応する社会基盤の形成 |
研究課題/領域番号 |
16H01180
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
保田 浩志 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (50250121)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 宇宙放射線 / 被ばく線量 / 太陽フレア / 高エネルギー粒子 / 中性子 / 航空機 / 有人宇宙活動 |
研究実績の概要 |
太陽活動の変動が人間社会と地球環境に及ぼし得る問題のひとつに,航空機や宇宙船の搭乗者の放射線による被ばくが太陽フレア粒子により急激に増加することがある。これを防ぐためには, フレア粒子の到来を可能な限り早く検知し,航空機や宇宙船における被ばく線量を正確に推定して,迅速に適切な対応を採ること(飛行高度を下げることや遮へいの厚い場所へ移動するなど)が望まれる。しかし,その社会実装のための研究開発はほとんど行われていない。 そこで,本研究では,高緯度地域に置かれた中性子モニタのデータおよび衛星高度における宇宙空間の陽子フラックスのデータを5分刻みでリアルタイムに取得し,そのデータを基に被ばく線量を自動計算して,その結果を社会と共有するプログラムを実用化するべく,2年間での研究開発に取り組んだ。取得対象としたデータは,欧州連合の支援の下で運用されている中性子モニタリングデータベースNMDBで公開されている中性子モニタのデータならびに米国海洋大気庁NOAAが公開しているGOES衛星の陽子フラックスのデータである。 初年度に作成したプログラムでは,2017年9月の大規模な太陽フレアの発生時において,一部の中性子モニタのデータ提供が遅れたために多くの欠損値が生じてしまい,リアルタイムに機能しなかった。そこで,提供元の状況に関わらず安定的に被ばく線量が計算できるよう,データを取得する中性子モニタの数を増やすとともに,データ取得が不完全でも線量の暫定値を示せるようにプロトコルを改良した。今後は,当該新学術領域研究(PSTEP)予測システム(A01)班の活動の一環として,この改良したプログラムの社会実装に取り組んでいく。
|
現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
備考 |
EURADOS(欧州線量評価グループ)とは,放射線の線量評価に関わっている,欧州を拠点とする70以上の組織,560名以上の科学者から成る団体である。
|