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2017 年度 実績報告書

父性オルガネラオートファジーの選択性を制御する新規アダプターの解析

公募研究

研究領域オートファジーの集学的研究:分子基盤から疾患まで
研究課題/領域番号 16H01191
研究機関群馬大学

研究代表者

佐藤 美由紀  群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (70321768)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードオートファジー / 線虫 / 受精 / ミトコンドリア
研究実績の概要

線虫受精卵においては精子に由来するミトコンドリア等の父性オルガネラがオートファジーにより選択的に消去され,この現象はアロファジーと呼ばれている.われわれはアロファジーを制御する因子の探索から,ALLO-1とIKKE-1という二つの因子を同定し,詳しい機能解析を行ってきた.ALLO-1はオートファジーアダプターとして働く新規因子で,父性ミトコンドリア周囲にオートファジー関連因子を局在化させるために必須であった.また,IKKE-1は哺乳類のTBK1やIKKepsilonに相同性を示すキナーゼで,ALLO-1と物理的に相互作用した.また,キナーゼドメインの変異体はikke-1変異体を相補できないことから,キナーゼ活性がアロファジーに必須であることが明らかとなった.さらに,生化学的な解析から,ALLO-1がリン酸化タンパク質であること,このリン酸化の一部はIKKE-1に依存することを見出した.また,受精卵から回収したGFP-ALLO-1の質量分析からリン酸化部位の同定にも成功し,この部位のリン酸化がALLO-1の機能に重要であることを示した.これらの結果は哺乳類TBK1による選択的オートファジー経路の制御メカニズムと類似性があり,TBK1ファミリーキナーゼによる制御は選択的オートファジー経路の共通原理である可能性が示唆された.これらの成果は本年度原著論文として発表した(Sato, et al, Nature Cell Biology 2018).一方で,本研究で同定したALLO-1上のリン酸化部位以外にもIKKE-1のリン酸化基質が存在する可能性を示す結果も得たため,プロテオミクスによりikke-1変異体でリン酸化レベルが低下するププチドの同定を試みている.

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The autophagy receptor ALLO-1 and the IKKE-1 kinase control clearance of paternal mitochondria in Caenorhabditis elegans2017

    • 著者名/発表者名
      Sato Miyuki、Sato Katsuya、Tomura Kotone、Kosako Hidetaka、Sato Ken
    • 雑誌名

      Nature Cell Biology

      巻: 20 ページ: 81~91

    • DOI

      10.1038/s41556-017-0008-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Multiple ways to prevent transmission of paternal mitochondrial DNA for maternal inheritance in animals2017

    • 著者名/発表者名
      Sato Ken、Sato Miyuki
    • 雑誌名

      The Journal of Biochemistry

      巻: 162 ページ: 247-253

    • DOI

      10.1093/jb/mvx052

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アロファジー:父性オルガネラを分解する新たなオートファジーと母性遺伝2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤健,佐藤美由紀
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 35 ページ: 1812-1817

  • [雑誌論文] Monitoring of Paternal Mitochondrial Degradation in Caenorhabditis elegans2017

    • 著者名/発表者名
      Sato Miyuki、Sato Ken
    • 雑誌名

      Methods in Moleculra Biology

      巻: Mitophagy ページ: e1-8

    • DOI

      10.1007/7651_2017_17

  • [学会発表] オートファジーによる父性オルガネラ選択的分解の分子メカニズム2018

    • 著者名/発表者名
      佐藤美由紀,佐藤健
    • 学会等名
      第123回日本解剖学会全国学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] The mechanism of paternal mitochondria clearance via allophagy2017

    • 著者名/発表者名
      Miyuki Sato, Katsuya Sato, Kotone Tomura, Hidetaka Kosako, and Ken Sato
    • 学会等名
      The 8th International Symposium on Autophagy
    • 国際学会
  • [学会発表] 父性オルガネラ選択的オートファジーにおける基質認識のメカニズム2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤美由紀,佐藤克哉,戸村琴音,佐藤健
    • 学会等名
      ConBio2017
    • 招待講演
  • [備考] 群馬大学生体調節研究所生体膜機能分野

    • URL

      http://makukinou.showa.gunma-u.ac.jp/index.html

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公開日: 2018-12-17  

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