研究実績の概要 |
これまでに我々は新たな細胞内分解システムを見いだし、RNautophagy/DNautophagy (RDA)と名付けた。RDAにおいては、RNA/DNAがATP依存的に直接リソソームに取り込まれ、内部で分解される。また昨年度、リソソーム膜におけるRNA及びDNAトランスポーター候補分子として、SIDT2を同定し論文報告した (Aizawa et al. Autophagy. 2016, Aizawa et al. Autophagy. 2017)。SIDT2は、RNAトランスポーターとして報告されているC. elegans SID-1のオルソログの1つである。今年度は、SIDT2のリソソーム局在化機構について解析を進めた。まずアミノ酸配列を検索し、SIDT2の細胞質側に3カ所のYXXφモチーフを見いだした。これらのモチーフそれぞれまたは同時に変異を導入したmutant SIDT2を作製したところ、それぞれのmutantについてリソソーム局在の程度が低下し、3カ所全てのモチーフがリソソーム局在に重要であることがわかった。またリソソームに局在しないmutant SIDT2はRNautophagy活性に影響を与えないという結果がin vitro系及び細胞レベルで得られ、3カ所のYXXφモチーフを介したSIDT2のリソソーム局在は、SIDT2によるRNautophagy活性に必要であることが明らかとなった。リソソームにはほとんど局在しないSIDT1分子にSIDT2の3カ所のYXXφモチーフを導入したところ、このmutant SIDT1はリソソームに局在し、さらにRNautophagyに機能するようになったことから、SIDT2の3カ所のYXXφモチーフは実際に機能しているモチーフであることが示された (以上、Contu et al. J Cell Sci. 2017)。
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