公募研究
これまで、イネ4葉期の幼苗の様々な葉のステージ、部位(P1、P2の葉原基を含む茎頂、P3の葉原基全体、P4の葉鞘、P4の葉身基部、中央部、先端部、P5の葉身、葉鞘、葉身葉鞘境界、P6の葉身、葉鞘、葉身葉鞘境界)、合計12箇所から得られたサンプルを用いてマイクロアレイ解析が行われた。これらのマイクロアレイによって得られた網羅的な遺伝子発現データを用いて、k-means法による遺伝子間クラスタリングを行い、様々な発現パターンをもつ遺伝子クラスターを得た。これらのクラスターには各組織間で発現変動が小さいものと大きいものが含まれていたが、発現変動が激しいクラスターには比較的少数の遺伝子が含まれていた。これらの遺伝子発現データとデータ解析から得られた発現パターンの傾向をもとに、葉の発生過程で特徴的な発現をしていると考えられる96個の遺伝子についてin situ hybridizationによる部位・ステージ特異的な発現パターンの調査を行った。日本晴の4葉期の幼苗の茎頂部において解析を行ったところ、46個の遺伝子については特定の発現パターンが観察された。そのうち30個は特に局在性の高い発現パターンを示しており、その発現パターンと葉おける機能との関連が示唆された。局在性の高い発現パターンを示すいくつかの遺伝子に関しては、それぞれのパラログの探索と発現解析を行った。パラログのin situ hybridizationから、パラログ間での機能の冗長性、機能分化に関しての情報を得ることができた。
2: おおむね順調に進展している
いくつかの計画ごとの進行状況にはばらつきはあるが、全体としては順調に解析は進行している。
既に解析が進んでいるものに関しては、論文として取りまとめる。現在進行中の解析、特にトランスクリプトーム解析については、どのような遺伝子を対象にするかによって今後の方針が変化する可能性があるが、なるべく早く遺伝子を絞り込む予定である。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
Breeding Science
巻: 66 ページ: 416-424
10.1270/jsbbs.16019
Development
巻: 143 ページ: 3407-3416
10.1242/dev.138602