公募研究
申請者はこれまで、分裂酵母のグルコース飢餓ストレスに応答するfbp1遺伝子の活性化機構の解析を行い、発現誘導に先立ってfbp1遺伝子上流領域からのmlonRNAと名付けた非コードRNA転写が起こっていることを発見し、さらに、mlonRNA転写と共役した、転写因子結合部位のクロマチン再編成機構を発見していた(2008年Nature Hirota et al)。申請者は、独自に発見した非コードRNA転写の新機能のさらなる理解のために、H29年度には本領域の研究で、以下の研究成果を上げた。1 mlonRNAの転写開始エレメントを同定し、このエレメントの移植などの実験で転写開始によるクロマチン制御の効果範囲が240bp程度であることを見出した。2 mlonRNAの転写開始エレメントは、様々な遺伝子座で機能し、転写のみならず減数分裂期組換えの誘導にも寄与することを見出した。3 mlonRNAの転写開始エレメントのコンセンサス配列を決定し、ゲノム解析の結果、転写開始部位100bp程度の上流領域や減数分裂期組み換え部位に有意に多く存在することを見出した。4 mlonRNA転写に依存して、DNAトポロジカルストレスが発生し、この結果できるDNAスーパーコイル構造がヌクレオソームのポジショニングに効果を発揮することを見出した。H30年度には、mlonRNAの転写開始によるクロマチン再編成の効果範囲の研究(上記1)とmlonRNA合成配列が他の遺伝子座で機能し転写のみならず減数分裂期組換えを上昇させることに寄与すること、コンセンサス配列の決定とそのゲノム解析の結果(上記2~3)、DNAスーパーコイル形成を介した非コードRNA転写によるクロマチン制御機構(上記4)の研究結果を論文にまとめる。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 5件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
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