研究実績の概要 |
- ヒストンバリアントを含むクロマチン状態の推定:FIC-HMMを用いたクロマチン状態の推定手法を用いて、ヒストンバリアントを含むクロマチン状態の推定を行った。データとしては、ヒト:Kujirai+, NAR (2016) 44, 6127-41、マウス:Maehara+, Epigenetics Chromatin (2015) 17;8:35、を用いた。その結果、人においては7つ、マウスにおいては17のクロマチン状態が推定され、各クロマチン状態のゲノム特徴との関連性を調べた。人に関しては、3つのバリアントの全てが入りやすい状態・H3.3とH3.YがH3.5に比べて入りやすい状態、H3.5がH3.3とH3.Yに比べて入りやすい状態などが推定された。マウスに関しては基本的にH3.3, H3mm11, H3mm13, H3mm16, H3mm7が入る場所は類似していることがわかった。 - 無限木構造隠れマルコフモデルを用いた階層的なクロマチン状態の推定:無限木隠れマルコフモデル(ITHMM)を用いて、階層的なクロマチン状態をモデル化し、実ヒストンマークのデータに適用した。導出された階層的なクロマチン状態に対して生物学的な意味付けを与えた。これは「エピゲノム言語」の「品詞体系=階層性を持ったクロマチン状態」を導出する初めての試みである。 - 独自に開発してデータベースLncRRIdbを用いて、クロマチン状態とlncRNAの関連性を見るためのプレリミナリーな研究を開始した。
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