最近の知見により、従来は活動が乏しいとされてきたグリア細胞にて、神経活動と連動した、電気的活動やカルシウム応答が生じる可能性が示唆されている。しかし、神経活動とグリア活動の同時可視化は、技術的困難からまだ十分検討されていない。平成28年度においては、緑、赤の高速カルシウムインディケーターと同等のスパイク検出脳を有する黄色、青色のカルシウムインディケーターを創出することに成功した。この成果に基づき、平成29年度には、神経活動のプレ・ポスト同時活動測定をin vivoで試みた。また、青色などの第3色のインディケーターをGFAPプロモーター下でグリア細胞に発現させる技術を構築し、アストロサイトCa2+変動を可視化した。さらに、可塑性刺激を付加し、シナプス伝達の変容とともに、グリア活動がどのように変わるか、また、グリア活動を抑制することに伴う、シナプス可塑性の変化を検討した。平成29年6月30日付けで平成29年度新学術領域研究(研究領域提案型)が採択されたため、本研究は廃止された。
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