研究領域 | 共感性の進化・神経基盤 |
研究課題/領域番号 |
16H01493
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
横山 ちひろ 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 上級研究員 (90264754)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 非ヒト霊長類 / 向社会行動 / PET / 安静時機能的MRI / ドーパミン / セロトニン |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ヒトと進化的に近縁でかつ類似の社会構造をもつ非ヒト霊長類であるマーモセットの示す親和的社会行動の分子神経基盤を明らかにすることである。マーモセットの示す親和的な社会行動の客観的評価を行い、親和的社会行動に関連する脳の大域的特徴を機能的ネットワークとして抽出する脳機能イメージング技術基盤を確立するために、以下の項目で実験を実施した。 Ⅰ.親和的社会行動の評価 独居、知り合い個体との対面、見知らぬ個体との対面など、異なる社会的文脈の中で表現される自発行動および心血管系反応についてビデオ録画およびテレメトリーシステムを用いた血圧変動測定を実施し、それぞれに対して社会的文脈が及ぼす影響について解析を行った。また、向社会性オペラント課題を実施するためのTWINケージを購入し、課題行動実験用モニターシステムを構築した。 Ⅱ.脳機能イメージング 行動評価を行った個体を用いた脳機能イメージングを行うため、ドーパミン、セロトニン神経系の選択的PETトレーサーを用いた覚醒下PET撮像、MRI撮像では軽度麻酔コントロール下におけるT1、T2、拡散強調画像、安静時機能的MRI画像を得るための撮像技術および解析技術の向上を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
親和的社会行動のビデオ解析およびテレメトリーシステムの血圧変動の解析を行ったものの個体差が大きく一定の結果を得るためにはより多くのサンプルが必要であることが判明した。TWINケージを購入したものの、実験環境の整備に手間取った。脳機能イメージングの撮像技術および解析技術の向上については予定通り進展している。
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今後の研究の推進方策 |
親和的社会行動のビデオ解析およびテレメトリーシステムの血圧変動の解析は引き続き進め、TWINケージを用いたオペラント課題評価による効率的な行動解析方法を開発していく予定である。行動評価と並行して、実験個体の脳機能イメージングの撮像を開始する。
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