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2016 年度 実績報告書

時間の有限性の認知・神経基盤の検討

公募研究

研究領域こころの時間学 ―現在・過去・未来の起源を求めて―
研究課題/領域番号 16H01508
研究機関京都大学

研究代表者

柳澤 邦昭  京都大学, こころの未来研究センター, 特定助教 (10722332)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード時間の有限性 / 時間割引 / 未来思考 / 死の想像 / 加齢
研究実績の概要

本研究は機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging: fMRI)を用いて、時間の有限性の認知・神経基盤を解明し、時間割引(時間経過に伴い、報酬の主観的価値が減衰する現象)との関連を明らかにすることを目的としている。とりわけ、時間の有限性を強く意識させる実験操作を用いて、自分自身の余命が残り僅かであることを認識する際の神経活動に着目する。今年度の研究では行動実験によるデータを主に収集し、分析を実施した。行動データの分析結果から、時間の有限性の実験操作により時間割引率が大きくなることが明らかとなった。具体的には、自分自身の余命が残り僅かであることを想像した場合では、未来の大きな報酬よりも、今すぐもらえる少額の報酬を選択しやすくなることが示された。これらの結果を受け、fMRIによる脳機能画像データの取得に着手している。脳機能画像データの取得は来年度も引き続き行い、データ取得完了後に解析を実施する。特に、自分自身に残された時間を参照するプロセスと、その情報を意思決定に反映するプロセスを画像解析により検討することで、時間の有限性の認識がどのようにわれわれの時間軸上の価値観を左右するのかを明らかにする予定である。なお、本研究で得られたデータについては、学会・研究会等で報告する予定であり、最終的な研究成果については海外の学術雑誌で報告する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までに画像データの取得が順調に進んでおり、来年度以降もデータ取得を継続して行う予定である。データ取得が完了次第、解析に力を入れて進めていく予定である。2年間の研究期間内に、一定の研究成果を得ることが見込める状況にある。

今後の研究の推進方策

来年度にはデータ取得を完了し、本格的に解析を進めていく予定である。特に、時間の有限性の認知に関わる神経基盤を特定するため脳機能画像解析を進めていく。また、本研究で焦点を当てている時間の有限性は、年齢の影響を強く受けることが予測される。したがって、研究の進捗状況に応じて加齢の影響についても検討を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Thinking about death increases temporal discounting: an fMRI study.2016

    • 著者名/発表者名
      Yanagisawa, K., Kashima, E.S., Shigemune, Y., Nakai, R., Abe N.
    • 学会等名
      31st International Congress of Psychology
    • 発表場所
      Yokohama, Japan
    • 年月日
      2016-07-24 – 2016-07-29
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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