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2016 年度 実績報告書

齧歯類を用いた時間認知の発達メカニズムに関する比較心理学的検討

公募研究

研究領域こころの時間学 ―現在・過去・未来の起源を求めて―
研究課題/領域番号 16H01510
研究機関広島大学

研究代表者

坂田 省吾  広島大学, 総合科学研究科, 教授 (50153888)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードインターバル・タイミング / 時間認知 / ピーク法 / 間隔二等分課題 / 発達 / 加齢 / 齧歯類
研究実績の概要

本研究の目的はヒトを含めた時間認知における発達メカニズムの検討を比較心理学的に明らかにすることであり,そのために生後3ヶ月で成体となり,2年で老齢とみなされる齧歯類を用いてオペラント課題の時間認知課題を学習させた。時間認知課題としては,生体自らが反応で時間を作り出すピーク法(PI)と呼ばれるPI30秒スケジュールを用いた。平成28年度は,予めPI30秒スケジュールを訓練した生後1年以上経った中年に相当するラットとマウスを用いて時間弁別学習を行った。発達メカニズムの検討をするために今後も経時的に実験を行う予定である。
時間の刺激としては音刺激を用いた。スピーカーから音を提示してその音の提示時間を認知させる。ラットにおいてはPI30秒スケジュールで長期間訓練をすると,その反応ピークが非常に安定的に観察されることを既に報告している(基礎心理学研究,2015)。時間情報処理に関連する脳部位の測定指標として,学習と関連して海馬から観察される海馬θ波も有効であることも既に明らかになっている(Behav Brain Res, 2015)。2秒と8秒の長短弁別である時間弁別課題を行わせ,その間隔二等分点を測定することで加齢による影響も検討中である。
得られた研究成果は国内・海外の学会で積極的に発表公表してきた。2016年にシドニーで開催された国際比較心理学会および同じく2016年に横浜で開催された国際心理学会のシンポジウムでこれらの成果を発表した。神経科学学会との関連で開催された国際シンポジウムではインターバルタイミングに関する発表に対しておおむね良好な評価を得た。またこれらのシンポジウムでは多くの時間認知研究者と実りある議論をすることができ,この分野の一層の研究推進に寄与することができた。究者と実りある議論をすることができ,この分野の一層の研究推進に寄与することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定の計画通りに実験が進行しており,計画に沿った実績という点でおおむね順調に進展している。ピーク法と間隔二等分課題の時間研究の王道の実験を実施しており,時間の産生と時間の評価の点からも2つの観点から検討することができるのも利点である。

今後の研究の推進方策

齧歯類を用いた加齢の影響による時間認知への影響の検討と,今後はこれに脳波データの分析を加えることができれば当初の計画よりも大きな成果が得られるものと期待される。何れにしても着実な実験の実施がそのまま成果を得ることにつながると期待できる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 新生仔期 NMDA 受容体慢性遮断がラットの間隔二等分課題遂行に及ぼす影響2017

    • 著者名/発表者名
      新倉怜・坂田省吾
    • 雑誌名

      生理心理学と精神生理学

      巻: 34 ページ: in press

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Go/No-go 刺激弁別課題中の海馬θ波活動2016

    • 著者名/発表者名
      崎本裕也・坂田省吾
    • 雑誌名

      行動科学

      巻: 55 ページ: 61-71

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] ラットにおけるモーション・ラインを用いた方向弁別課題の予備的検討2016

    • 著者名/発表者名
      飯尾優一郎・坂田省吾
    • 雑誌名

      人間科学研究

      巻: 11 ページ: 29-36

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Comparison of time perception using the interval bisection task with continuous tone and pulse tone in rats2016

    • 著者名/発表者名
      Yuta Nakamura, Shogo Sakata
    • 学会等名
      日本動物心理学会第76回大会
    • 発表場所
      北海道大学 学術交流会館
    • 年月日
      2016-11-23 – 2016-11-25
  • [学会発表] Functional and neural mechanisms of interval timing and temporal cognition2016

    • 著者名/発表者名
      Shogo Sakata
    • 学会等名
      ICP2016
    • 発表場所
      Pacifico Yokohama, Japan
    • 年月日
      2016-07-24 – 2016-07-29
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Temporal bisection timing in rats2016

    • 著者名/発表者名
      Shogo Sakata
    • 学会等名
      Neuroscience2016 ICP2016-related symposia
    • 発表場所
      Pacifico Yokohama, Japan
    • 年月日
      2016-07-20 – 2016-07-22
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Learning process of timing in a peak-interval procedure in rats2016

    • 著者名/発表者名
      Shogo Sakata, Minoru Hattori
    • 学会等名
      ISCP2016 Symposium
    • 発表場所
      New Law Annex, The University of Sydney, Australia
    • 年月日
      2016-07-14 – 2016-07-16
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 新生仔期黒質損傷がラットのその後の活動量に及ぼす影響2016

    • 著者名/発表者名
      氏田麻美・坂田省吾
    • 学会等名
      第34回日本生裡心理学会大会
    • 発表場所
      名古屋大学 豊田講堂
    • 年月日
      2016-05-14 – 2016-05-15

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公開日: 2018-01-16  

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