公募研究
本課題では、蛍光X線ホログラフィーの測定結果の解析について、これまで一般的に行われてきたフーリエ変換による順問題ではなく、原子配列を仮定する逆問題を導入した。ほとんどの位置に原子が存在しないスパース性を考慮して、物理的に正しく精緻な原子像を再現することを目指した。前年度に続いて、スパースモデリングを用いた解析の手法についてJSPS外国人特別研究員と共に、蛍光X線ホログラフィーのデータの解析に用いるための詳しい検討を行った。既存のコンピュータプログラムを詳しく精査しながら、改良を進め、トポロジカル絶縁体として知られる、Mnを添加したBi2Te3の不純物のまわりの局所構造を探求する実験結果の解析に適用した。フーリエ変換では得られなかった原子像を明白に見い出すことができ、これまではっきりとはわからなかった不純物の位置が原子層の間の特殊な位置に選択的に存在しているだけではなく、別の位置にも置換型で存在し、まわりの原子位置に歪みを与えているという明確な回答を出すことができた。この結果は、現在物理分野で権威のある雑誌Physical Review Bに論文として刊行した。また、蛍光X線ホログラフィー法によって電子状態選択制の構造が検討できることを見出し、その結果も論文としてまとめた。さらに、その方法を、Fe系高温超伝導体、DVDなどの光誘起相変化材料、熱電材料、準結晶などにも適用し、弱かった原子イメージの再構築、位置分解能の飛躍的な改良あるいは位置ゆらぎの定量的な導出を行うことができた。それらの結果は、すでに論文の投稿あるいはその準備をしている。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 3件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (29件) (うち国際学会 17件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Journal of the Physical Society of Japan
Acta Materialia
巻: 146 ページ: 273~279
10.1016/j.actamat.2017.12.053
Physica Status Solidi A
巻: 215 ページ: 1700416-1-8
10.1002/pssa.201700416
Chalcogenide Letters
巻: 15 ページ: 1-6
Physical Review B
巻: 96 ページ: 214207-1-12
10.1103/PhysRevB.96.214207
Journal of Applied Crystallography
巻: 50 ページ: 1583-1589
10.1107/S1600576717012821
Science Advances
巻: 3 ページ: e1700294-1-7
10.1126/sciadv.1700294
Chemical Physics Letters
巻: 680 ページ: 1~5
10.1016/j.cplett.2017.05.005
巻: 131 ページ: 534~542
10.1016/j.actamat.2017.03.048
Materials Transaction
巻: 58 ページ: 539-542
10.2320/matertrans.M2016459
European Physical Journal: Web of Conferences
巻: 151 ページ: 06001-1-7
10.1051/epjconf/201715106001
巻: 151 ページ: 06002-1-6
10.1051/epjconf/201715106002
Physica Status Solidi C
巻: 14 ページ: 1600171-1-4
10.1002/pssc.201600171
日本セラミックス協会誌「セラミックス」
巻: 52 ページ: 341-344
http://crocus.sci.kumamoto-u.ac.jp/physics/SR/index.html