研究実績の概要 |
次世代シーケンサーを始め, 質量分析や画像解析の発達により膨大かつヘテロながんビッグデータが集積しており, それらの解析技術基盤が課題となっている. 一方, 統計科学の分野でもデータ中心的な転回期を迎えつつあり, 従来の多変量解析における数値行列型データに加え,各観測値がヒストグラムや関数, 木構造, 画像といった多種多様なデータ表現に対する解析方法; オブジェクト指向型データ解析法が広がりを見せつつある. 本研究課題では, 多様ながんビッグデータを駆使して複雑極まりないがんのエコシステムを攻略すべく, オブジェクト指向型データ解析のための基盤構築を行い、当該年度は特に、がんのサブクローン進化構造の推定手法とその分類手法に関して木構造値データ解析の観点から理論的な研究を行い, がん進化の複雑なトポロジー構造を単純なユークリッド空間へ埋め込めることを数理的に証明し, そのためのアルゴリズム開発を行った。また, 多種のシミュレーション実験を行い、これまでに知られている多くのサブクローン進化構造の分類が可能であることを示した.
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