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2017 年度 実績報告書

宇宙における骨量低下の謎に迫る―破骨細胞分化因子RANKLの発現メカニズムの解明

公募研究

研究領域宇宙からひも解く新たな生命制御機構の統合的理解
研究課題/領域番号 16H01634
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

篠原 正浩  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (60345733)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード微小重力環境 / 骨代謝 / 骨粗鬆症 / 破骨細胞 / RANKL
研究実績の概要

骨組織に対する力学的負荷は骨組織恒常性維持に非常に重要である。宇宙空間における微小重力環境や寝たきりといった骨組織に力 が加わらない状態では、骨量が著しく減少し、骨折しやすい骨粗鬆症(不動性骨粗鬆症)に陥る。骨粗鬆症では、骨を破壊する破骨細 胞の分化因子であるRANKLと呼ばれるサイトカインの発現亢進を介して破骨細胞の分化や骨破壊能が促進される。しかし、微小重力環 境で骨量低下を引き起こすRANKL発現亢進の分子メカニズムは不明な点が多いことから、本研究ではRANKLの発現に焦点を当て、微小重 力環境で骨量が低下するメカニズムを明らかにすることを目的とする。
今年度は、作成したRANKL発現細胞レポーターマウスを用いた解析を行った。作成した遺伝子改変マウスはRANKLプロモーター制御下でtdTomato-Cre リコンビナーゼ融合タンパク質を発現するため、細胞内シグナル伝達因子のfloxマウスと交配し、RANKL発現細胞特異的な遺伝子ノックアウトマウスの作成及び解析を行った。その結果、このマウスは重度の骨粗鬆症を定することが判明した。
骨に加わる力学的負荷は骨小腔・骨細管内間質液の動きを生じ、RANKL発現細胞の一つである骨細胞への液流由来のせん断応力(シェアストレス)刺激となり、骨細胞内シグナルを活性化し、骨形成・吸収制御分子の発現・機能調節を介して骨組織の恒常性を維持する。今年度は、この骨細胞にin vitroシェアストレス負荷を行い、シェアストレスによる細胞内で活性化されるシグナル伝達経路の活性化経路の同定、ならびにRANKL発現を制御する転写因子の同定に至った。前年度の実施した宇宙フライトマウスの解析およびin vitroの解析からRANKL発現の分子メカニズムが明らかとなり、RANKL発現制御の分子メカニズムの一端が明らかとなった。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Development of new experimental platform ‘MARS’―Multiple Artificial-gravity Research System―to elucidate the impacts of micro/partial gravity on mice.2017

    • 著者名/発表者名
      Shiba D, Mizuno H, Yumoto A, Shimomura M, Kobayashi H, Morita H, Shimbo M, Hamada M, Kudo T, Shinohara M, Asahara H, Shirakawa M, Takahashi S
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 7 ページ: 10837

    • DOI

      10.1038/s41598-017-10998-4

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Actin-binding protein coronin 1A controls osteoclastic bone resorption by regulating lysosomal secretion of cathepsin K.2017

    • 著者名/発表者名
      Ohmae S, Noma N, Toyomoto M, Shinohara M, Takeiri M, Fuji H, Takemoto K, Iwaisako K, Fujita T, Takeda N, Kawatani M, Aoyama M, Hagiwara M, Ishihama Y, Asagiri M
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 7 ページ: 41710

    • DOI

      10.1038/srep41710

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Osteoimmunology: the conceptual framework unifying the immune and skeletal systems.2017

    • 著者名/発表者名
      Okamoto K, Nakashima T, Shinohara M, Negishi-Koga T, Komatsu N, Terashima A, Sawa S, Nitta T, Takayanagi H
    • 雑誌名

      Physiol Rev

      巻: 94 ページ: 1295-1349

    • DOI

      10.1152/physrev.00036.2016

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 宇宙における骨量低下と破骨細胞2017

    • 著者名/発表者名
      篠原正浩
    • 雑誌名

      腎と骨代謝 特集「宇宙医学研究の最前線」

      巻: 30 ページ: 195-202

  • [学会発表] Osteoporosis in spaceflight and osteoclasts2018

    • 著者名/発表者名
      Shinohara M
    • 学会等名
      第95回日本生理学会大会シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 力学的荷重による骨代謝制御2018

    • 著者名/発表者名
      篠原正浩
    • 学会等名
      第2回理論免疫ワークショップ
    • 招待講演
  • [学会発表] 長期宇宙滞在マウスの骨組織解析2017

    • 著者名/発表者名
      篠原正浩、鈴木碧、工藤崇、新保未来、芝大、白川正輝、高橋智、浅原弘嗣
    • 学会等名
      第4回日本リウマチ学会ベーシックリサーチカンファレンス
  • [学会発表] 長期宇宙滞在マウスの骨組織解析2017

    • 著者名/発表者名
      篠原正浩、工藤崇、新保未来、芝大、白川正輝、高橋智、浅原弘嗣
    • 学会等名
      第35回日本骨代謝学会
  • [学会発表] 長期宇宙滞在マウスの骨組織解析2017

    • 著者名/発表者名
      篠原正浩、工藤崇、新保未来、芝大、白川正輝、高橋智、浅原弘嗣
    • 学会等名
      第3回日本骨免疫学会
  • [学会発表] Systems bone biology -骨の包括的理解から疾患制御へ-2017

    • 著者名/発表者名
      岩波翔也、中岡慎二、野下浩司、岩見真吾、篠原正浩
    • 学会等名
      第3回日本骨免疫学会

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公開日: 2018-12-17  

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