公募研究
【研究の目的】出アフリカ以降、現生人類は5~7 万年という短かい期間で、世界各地の様々な環境に適応しながら拡散したので、その環境適応は生業形態や文化・行動様式の変化がゲノムの変化より先行した。今回の研究計画では東南アジアの少数民族および古人骨のゲノム解析を実施することにより、生業形態および文化・行動様式が常染色体を含めたゲノムに与える影響を明らかにする。【研究計画の実施状況】①東南アジア出土古人骨(25検体)と愛知県渥美半島・伊川津貝塚遺跡出土古人骨(IK002)のゲノム配列にもとづく比較解析を行った。その結果、ホアビニアン文化をもっていた東南アジア出土古人骨とIK002の間で高い近縁性が示された。②現在タイ王国に住んでいる焼畑農耕を行っている山岳民族5民族6集団[アカ族、リス族(メイホンソン県)、リス族(チェンライ県)(以上、夫方居住);カヤー族(赤カレン)、カレン族(白カレン)、ラフ族(以上、妻方居住)]に加え、狩猟採取を行っている2民族(ムラブリ、マニ)の計7民族8集団192人について、白血球由来のDNAを用い、Infinium Global Screening Array(Illumina社)によって、約60万SNPのタイピングを行い、集団遺伝学的解析を行った。その結果、焼き畑農耕民は狩猟採集民よりは有効集団サイズ(Ne)が大きいものの、大規模農耕を行う集団や都市部の人々よりNeが小さい傾向が示された。③アゼルバイジャンから出土したホモ・サピエンスの骨試料からのDNA抽出し、次世代シークエンサー(NGS)ライブラリーを作製、イルミナ社MiSeqでシークエンスを行った。その結果、mtDNAハプログループはIと推定された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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G3
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