公募研究
カザフスタン南部において2017年度に新規に発見した29か所の旧石器時代遺跡のうち、層位的な堆積が良好な3遺跡について7月~10月に発掘調査を実施した。チョーカン・バリハノフ遺跡は、2017年のドイツ隊のOSL年代測定結果により最下層の第6文化層が約4万年前であることが分かっておりカザフ最古の文化層とされている。そのため、第6文化層の下位の文化層の有無を確認するために、台地上の平坦面から沖積面までの比高10mを断ち割る大規模なトレンチを設定した。その結果、第6文化層の下位から新しく3枚の文化層を発見した。地表下9.2mで検出した最下層の第9文化層は、小口面から先細りする石刃を剥離する技術がみられ、ロシアアルタイ地域にみられる後期旧石器時代初頭(IUP期)の石器群と共通する。現状で、中央アジア西部の天山-パミール地域において後期旧石器時代最古の文化層と位置付けられる。他に、ビリョックバスタウ・ブラック1遺跡の発掘調査では、中石器時代以降と後期旧石器時代前期(EUP期)の2枚の文化層を検出した。天山山脈北麓のクズルアウス2遺跡では、レスの安定堆積層中から赤色オーカーや5基の地床炉を伴って4枚の文化層を検出した。石器群の内容は、中央アジア西部で初めて検出された後期旧石器時代前期の石刃石器群である。層位的な堆積のある後期旧石器時代遺跡はカザフスタンでは僅かに4例しか知られていなかったが、新たに自ら発見したクズルアウス2遺跡とビリョックバスタウ・ブラック1遺跡の2遺跡における本年度の発掘調査により新たな多層遺跡のデータを獲得することができた。今後は、中央アジア西部最古の文化層が検出されたチョーカン・バリハノフ遺跡第9文化層と中央アジア西部で初めて石刃石器群が層位的に検出されたクズルアウス2遺跡について、さらに本格的は発掘調査とを実施する予定である。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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アジアにおけるホモ・サピエンス定着プロセスの地理的編年的枠組み構築 2018年度研究報告
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第20回北アジア調査研究報告会
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The International Workshop, Cultural History of PaleoAsia
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旧石器研究
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