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2017 年度 実績報告書

カルシウム48のシングルベータ崩壊の測定

公募研究

研究領域宇宙の歴史をひもとく地下素粒子原子核研究
研究課題/領域番号 17H05201
研究機関大阪大学

研究代表者

梅原 さおり  大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (10379282)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードカルシウム48 / ベータ崩壊 / 低放射能
研究実績の概要

粒子(物質)と反粒子(反物質)が質量を介して転換可能であることを証明するためには、"ニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊" の測定が必要である。本申請では、カルシウム48(48Ca)の二重ベータ崩壊の高感度測定装置構築のために、48Caの二重ベータ崩壊測定のバックグラウンドとなる48Caのシングルベータ崩壊の半減期測定を行う。この天然同位体比の小さく濃縮が難しい48Caのシングルベータ崩壊の半減期を、高感度で測定するために、48Caのシングルベータ崩壊後の原子核であるスカンジウム48(48Sc)を、選択性樹脂を用いて吸着(濃縮)し、また、遮蔽システムを構築することで、低放射線環境を実現する。この二つによって、シングルベータ崩壊の測定感度を飛躍的に改善させる。結果として、48Caのシングルベータ崩壊測定の世界最高感度を実現する。
そのために、本研究では、1、スカンジウムを吸着(濃縮)する樹脂選定および送液システムの構築、2、低バックグラウンド測定環境構築、3、長時間安定測定による48Caのシングルベータ崩壊半減期測定、を行う。
1、スカンジウムを吸着(濃縮)する樹脂選定および送液システムの構築:スカンジウムを吸着し、カルシウムを吸着しない樹脂として、キレート樹脂を選定した。また、送液システムとして、800リットルの塩化カルシウムタンクを含んだ泳動システムを構築した。
2、低バックグラウンド測定システム構築:稀事象であるシングルベータ崩壊の検出のためには、低バックグラウンド環境と、ガンマ線の検出効率の高い測定システムが必要である。検出効率を上げるために、32本のCsI(Tl)シンチレーション検出器を用いた測定システムを構築した。また、バックグラウンドを低減するために、鉛10cm、銅5cmを用いた遮蔽システムを構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた樹脂選定、測定システムの構築は終了した。また、検出効率評価のためのスカンジウム46の準備までは終了している。

今後の研究の推進方策

スカンジウム46とガンマ線測定システムを用いた検出効率評価を進める。これによって、樹脂の吸着効率も再評価する。また、バックグラウンド量の評価を行い、48Caのシングルベータ崩壊の測定を開始する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] カルシウム48のシングルベータ崩壊の測定2018

    • 著者名/発表者名
      梅原さおり
    • 学会等名
      「極低放射能技術」研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] カルシウム48のシングルベータ崩壊の測定2017

    • 著者名/発表者名
      梅原さおり
    • 学会等名
      「宇宙の歴史をひもとく地下素粒子原子核研究」2017年領域研究会
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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