研究領域 | 医用画像に基づく計算解剖学の多元化と高度知能化診断・治療への展開 |
研究課題/領域番号 |
17H05295
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
椎名 毅 京都大学, 医学研究科, 教授 (40192603)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 生体医工学 / 超音波医科学 / 組織粘弾性 / 肝疾患診断 / 生体物性 |
研究実績の概要 |
組織の粘弾性という力学的特性の高精度な測定による線維化程度の評価と、光超音波法を用いた脂肪率などの組織性状をもとに、慢性肝炎の早期診断を可能とする手法を開発するため、今年度は以下の各項目について検討した。 (1)剪断波の2モード伝搬モデルによる粘弾性推定関数の定式化: 粘弾性の計測に速度分散曲線を用いない新たな方法として、剪断波の伝搬における変位および粒子速度から求めた群速度より、弾性および粘性を求める関取を定式化することで、簡便かつ高精度に粘弾性が評価可能な方法を検討した。 (2)粘弾性ファントムを用いた実.験による検証:(1)で開発した手法の有効性を肝臓の粘弾性を模擬したファントムを用いて検証する。ファントムについては、当新学術領域において、MRIでの肝疾患診断を目的に粘弾性ファンムを開発している他クループと連携し、双方で測定精度などの比較検討した。その結果、肝組織のように剪断波速度の周波数勾配である速度分散が現れることが確認された。 (3)肝組織の光音響特性の計測と光吸収・散乱のモデル化:光超音波イメージングにより脂肪率等の組織性状を得るため、脂肪と肝組織を様々な比率で混合した脂肪肝モデルを作成し、光音響信号のスペクトルを求めた。その結果、2つの波長に対する光音響信号の比をパラメータとして用いると、脂肪率が推定できることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脂肪肝モデルを作成し、2つの波長に対する光音響信号の比をパラメータとして用いると、脂肪率の推定の可能性が示され、成果を日本超音波医学会で発表する。
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今後の研究の推進方策 |
前年度と同じく、当初の研究計画に従って実施する予定である。
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