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2017 年度 実績報告書

時間軸と生体力学機能軸を統合した多元計算解剖モデルによる肺がん切除術後の予測

公募研究

研究領域医用画像に基づく計算解剖学の多元化と高度知能化診断・治療への展開
研究課題/領域番号 17H05298
研究機関山口大学

研究代表者

陳 献  山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (70313012)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード呼吸シミュレーション / 残存肺 / 生体力学
研究実績の概要

本研究では肺切除術後の生体力学シミュレーションを行い、残存肺における生体力学的状態を計算機上で再現し、医用画像における残存肺の形態情報と生体力学機能情報との関連性を明らかにすることにより、残存肺拡張の予測手法を開発する。そのため、まず平成29年度の研究では、肋骨間にバネを導入した従来の胸郭変形シミュレーションに対し,胸腔内力学的環境を正確に再現するため,本研究では呼吸に関与する主要な呼吸筋を導入し,胸部骨格,筋肉及び肺と心臓を含む胸部内腔を一体化して解析することにより,人為的要因を排除して胸腔内圧並びに肺が受ける周囲組織からの圧迫を合理的・定量的に定め,肺の解剖学的構造及び生理学的現象を正確に反映できる胸郭変形シミュレーション手法を開発した.また、肺を固体相の肺実質と流体相の細気管支及び肺胞内の空気からなる混合体(緻密なスポンジ状多孔質体)と見なし、肺内気流流れと肺実質変形との連成に関する解析手法を開発した。これにより、生理学的現象と一致した呼吸における肺の容積変化、肺胞圧及び胸腔圧の解析結果が得られた。さらに、気管支内の気流流れと呼吸に伴う気管支の変形を連成解析するため、有限要素法と格子ボルツマン法の連成解析手法を開発した。また、第10世代の分岐までの気管支モデルを作成したうえ、気流の流れ解析に粒子法を導入することにより、細い気管支内の気流流れを解析する手法を開発した。今後の研究では、これらの手法の検証と改良を行い、肺切除術後の呼吸シミュレーションを展開していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

肺切除術を受けた患者の医用画像を使用するため、山口大学医学部付属病院の倫理委員会による審査が必要であり、それに対応するための医師との調整や書類の準備などにより、肺切除術後の呼吸系モデルの作成が遅れた。

今後の研究の推進方策

今後の研究では、これまでに開発した手法の検証と改良を行い、肺切除術後の呼吸系モデルを作成したうえ、呼吸における生体力学シミュレーションを行う。また、術後肺の解剖学的形態変化の特徴を抽出し、呼吸系生体力学シミュレーションの結果との比較検討を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Fluid-structure interaction simulation via the coupling of finite element and lattice Boltzmann methods2017

    • 著者名/発表者名
      Fei Jiang, Xian Chen, Junji Ohgi
    • 学会等名
      The 8th International Conference on Computational Methods
    • 国際学会
  • [学会発表] 肺がん手術支援のための呼吸系生体力学シミュレーションシステムの構築2017

    • 著者名/発表者名
      陳献,蒋飛,上田和弘,大木順司
    • 学会等名
      第26回日本コンピュータ外科学会大会

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公開日: 2018-12-17  

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