公募研究
本研究の目的は、ドップラー変調量を断層可視化しながら荷重負荷量も同時検出し、組織内部における粘弾性特性をマイクロ断層可視化するシステムの構築である。提案システムは、周期的荷重負荷デバイスとしてPZT微小圧縮デバイスと焦圧型超音波トランスデューサーの両者を実装し、荷重負荷時におけるOCT干渉信号のドップラー変調量解析を施行し、組織変位速度マイクロ断層分布の経時変化を取得した。その結果、リング形状PZTによる荷重負荷によって発生した組織変位速度からひずみ速度マイクロ断層分布を検出し、その経時変化を基に軟骨組織の粘弾性特性の違いを検出できることを確認した。これは、酵素処理による粘性特性の劣化が、ひずみ速度の経時変化に影響を与えていることが明かとなった。一方、完全非接触での荷重負荷を実現するために焦圧型超音波トランスデューサーを用いて超音波音響放射圧を発生させ、培養中の再生組織に非接触荷重負荷を与え、誘起された組織変位速度を断層検出するシステムも構築した。これにより、再生組織内部の組織液流動特性が完全非接触にマイクロ断層可視化できることが分かった。また、組織の変性状態に応じて組織液流動の空間位相分布に違いが現れることが確認され、組織粘弾性特性と相関があることが分かってきた。一方、定量的な粘弾性特性を検出するためには、応力とひずみの同時計測を実装した動的粘弾性試験システムが必要であり、PZT制御信号または焦圧型超音波トランスデューサーから負荷応力時系列データの検出システムの構築が必要である。制御システムの構築は実施したものの、歪みゲージからの出力信号と応力とのキャリブレーション検証が残されているが、構築システムにより組織粘弾性特性を定性的にマイクロ断層可視化することは達成することができた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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