公募研究
本課題では、内視鏡画像を人工知能でリアルタイム解析し、大腸ポリープの適切な治療法を医師へ提示する、診断支援システムを創造することを目的とする。「均てん化された内視鏡診断」は、理想であるが未だ実現されていない。申請者らは人工知能により客観的診断が実現できるのではと考え、医工連携研究を行い、超拡大内視鏡(CF-H290ECI, オリンパス株式会社)大腸ポリープの内視鏡診断支援(=病理予測)システムの開発に成功した(Mori et al. Endoscopy 2016; Mori et al. Gastrointest Endosc)。しかし、現行システムから提供される病理予測の情報は、腫瘍・非腫瘍の鑑別のみで「どのような治療を行うか?(=内視鏡治療 or 手術 or 経過観察)」の決定は難しかった。本課題では、この問題点を克服すべく、「具体的な治療法」を提案しうる診断支援システムを構築し、日常臨床への貢献を目指す。すなわち、腫瘍・非腫瘍の鑑別だけでなく、腫瘍の場合、浸潤癌なのか、腺腫なのかsessile serrated adenomas/polypsなのかの鑑別まで踏み込むシステムを研究開発した。2018年3月に施行した3810枚の内視鏡画像を用いたパイロット試験の結果では、非腫瘍・腺腫・浸潤癌・sessile serrated adenomas/polypsの診断感度は、それぞれ72%, 88%, 88%, 12%であった。前者3つの診断精度は受容可能なものであったが、sessile serrated adenomas/polypsの精度は悪く、2018年度は前者3つを対象とした前向きの検証を継続して行っていくこととした。
2: おおむね順調に進展している
2018年3月に施行した3810枚の内視鏡画像を用いたパイロット試験の結果では、非腫瘍・腺腫・浸潤癌・sessile serrated adenomas/polypsの診断感度は、それぞれ72%, 88%, 88%, 12%であった。前者3つの診断精度は受容可能なものであったが、sessile serrated adenomas/polypsの精度は悪く、2018年度は前者3つを対象とした前向きの検証を継続して行っていくこととした。2017年度でアルゴリズムの基礎的研究開発・検討は終了しており、2018年度に前向き臨床検証ができる状況が整っているという点において研究はおおむね順調に進展していると判断する。
2018年度は非腫瘍・腺腫・浸潤癌の3つを鑑別するソフトウェアを用いて、精度を探索する、臨床での前向き評価を行う。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 2件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 6件、 招待講演 4件)
Endoscopy
巻: 50 ページ: 230-240
0.1055/s-0043-122385.
Endosc Int Open
巻: 6 ページ: E315-E321
10.1055/s-0044-102092.
巻: 50 ページ: 69-74
10.1055/s-0043-117403.
Oncol Lett
巻: 14 ページ: 2735-2742
10.3892/ol.2017.6491.
Endosc Int Open.
巻: 5 ページ: E769-E774.
10.1055/s-0043-113562.
巻: 5 ページ: E471-E476
10.1055/s-0043-106200.
巻: 49 ページ: 813-819
10.1055/s-0043-109430.
巻: 49 ページ: 798-802
10.1055/s-0043-105486
Mol Clin Oncol.
巻: 6 ページ: 291-295
10.3892/mco.2017.1138
巻: 6 ページ: 517-524
10.3892/mco.2017.1172.
Int J Comput Assist Radiol Surg.
巻: 12 ページ: 757-766
10.1007/s11548-017-1542-4.