公募研究
2016年度末までに研究代表者が作成した、脳機能データベースに基づいた標準脳(標準脳機能アトラスと呼ぶ)は運動・言語機能局在を異なる閾値分布で表示した独自脳アトラスである。この標準脳機能アトラスは、覚醒下手術中に用いた脳機能マッピング用刺激probeからの位置情報をログとして記録し、患者の脳機能情報を付加したデジタルデータベースを構築したものである。2017-2018年度は手術患者の術前MRI上に標準脳機能アトラス情報を逆変換し、患者個々の脳機能を術前MRI上で予測する研究を行った。同時に通常の正常脳から予想される機能部位との差分を測定し、検証した。症例数の増加に従い、既に確立したマッピング位置情報デジタル化手順(画像変換)の精度を再評価した。特に2018年度は、実際の摘出術における記録データ上にシミュレーションすることに重点をおいた。ソフトウェアで術前脳溝情報を予め抽出しているため、術中MRI画像に重畳して脳溝ナビゲーションによる機能局在の推定が可能であり、未来予測手術の一環として組み入れた。上述の、標準脳機能アトラスから患者術前MRI、さらに進めて術中MRIへの逆変換を確立した上で成果を論文化した。画像変換精度の再評価を3名に対して行ったが、2.7-6.5mmの誤差にとどまり、non-rigid registrationの手法での許容できる範囲と推定された。加えて、術中画像を用いた変換作業が標準化できるようにするためのシステムを構築し、機能情報をもった標準脳画像を患者の術中画像に40分程度で変換出来るようにし、その変換データを用いて脳機能予測を軸とした臨床(脳腫瘍摘出術)への応用にむけたシミュレーションを実装した。今後は、未来予測手術に向けた臨床研究を計画しつつ、他の施設への汎用性をもつソフトウェア構築を含め研究開発を応用させる予定である。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件)
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