研究領域 | 特異構造の結晶科学:完全性と不完全性の協奏で拓く新機能エレクトロニクス |
研究課題/領域番号 |
17H05341
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
山口 敦史 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60449428)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 窒化物半導体 / 光音響 / 内部量子効率 / ポテンシャル揺らぎ / 理論モデル |
研究実績の概要 |
本研究では、多様な特異構造を含む窒化物半導体における発光再結合と非発光再結合の機構を解明するため、この2つの過程を同時計測する光音響・発光同時計測法を用い、内部量子効率を正確に求める研究を行っています。さらに、時間分解発光測定や理論モデル計算をこれに組み合わせることにより、特異構造の電子状態とキャリアダイナミクスを包括的に理解することを目指しています。 これまでの成果として、内部量子効率を求める研究では、InGaN量子井戸試料において、光音響・発光同時計測法を用いて内部量子効率を測定し、同じ実験データに対して従来のABCモデルを用いた解析も行い、非発光再結合確率がキャリア密度の1乗に、発光再結合確率がキャリア密度の2乗に比例すると考えるABCモデルの解析結果が自己矛盾を起こし、完全に破綻していることを確認しました。 一方、InGaN量子井戸試料の種々の光学実験結果を理論モデルで統一的に理解する研究においては、ポテンシャル揺らぎによるバンド裾状態の状態密度を誤差関数として取り扱うことで、PL寿命の波長依存性、PLEスペクトル、PLピークの励起波長依存性、PLピークの温度変化(S字カーブ)などの実験結果を包括的に理解できました。 さらに、AlGaN量子井戸において、引っ張り歪み下で特殊な電子状態が生じ、量子細線的な状態密度となることを発見した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文などの目に見える成果がまだ少ないが、成果としての材料はかなり揃っており、これからどんどん発表していける状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
内部量子効率の測定に関しては、光音響測定のノイズレベルをあと1桁低減することにより、再現性や信頼性が向上することがわかっており、現在そのための方策を講じている。一方、理論モデルによる解析については、かなり良い状況にあるが、もう少し理論を改良して、様々な実験結果と整合するようにしていきたい。
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