公募研究
本研究では、市販のキラルなMosher試薬(ラセミ体のMosher酸クロリド(α-Methoxy- α-(trifluoromethyl)phenylacetyl chloride)、Mosh chloride;R体のMosher酸クロリド((R)-(-)-α-Methoxy-α-(trifluoromethyl)phenylacetyl chloride)、(R)-Mosh chloride)を用いて、様々な金属イオンと安定な錯体を形成する4座配位子であるトリス(2-ピリジルメチル)アミン(TPA)にアミド結合を介して光学活性部位を導入し、その光学活性TPA誘導体を有するルテニウム錯体の合成とキャラクタリゼーションを行った。得られた錯体は、メタノールを積極的に配位させることで、単一の化学種に収束させることができた。円偏光二色性スペクトル測定から導入した側鎖のキラル置換基は、ルテニウム中心の電子構造に影響を与えていることが示唆された。このRu(II)-キラルTPA錯体を触媒、及びt-ブチルヒドロペルオキシドを酸化剤として用いた1-フェニルエタノールの酸化反応を行った。その触媒的酸化反応は効率よく進行したが、基質の速度論的光学分割は、現在の条件下では立体選択的に進行しなかった。今後は、酸化剤や溶媒、基質などの条件の最適化を行うことで、得られたキラル錯体を触媒に用い、酸化剤に過酸化物を用いない水中での不斉酸化反応に展開する予定である。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
(2)は2018年8月4日~5日に、ICCC2018 Post Conference in Tsukuba: International Symposium on Recent Advances in Bioinspired Molecular Catalysis(国際会議)を開催した際のURL。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件) 学会発表 (42件) (うち国際学会 15件、 招待講演 14件) 備考 (2件)
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