公募研究
多孔性物質のナノ空間表面を配位性分子で化学修飾し、触媒金属を配位させることで高度に制御された非対称反応場を創出し、物理刺激(光、熱)を印加することにより反応が進行する高度に制御された超分子不斉ナノリアクターを創製することを目的としている。これまで正四面体型テトラスルホン酸を用いることで、ダイヤモンド構造(diaトポロジー)を基本骨格とした多孔質構造の構築を行ってきた。さらに平面四角形型テトラスルホン酸を用いることで、新たなトポロジーを有した多孔質構造を構築し、空孔内に非対称空間を誘起することを目指した。スピロビフルオレンテトラスルホン酸(spiroBPS)とトリクロロフェニルメチルアミン(TPMA_Cl)からなる有機塩では、pthトポロジーをもつ2次元チャネル状の多孔質構造を得た。この時の空隙率は50%を超えており、非常に大きな空孔を持つ多孔質構造となった。さらに空孔形成時にspiroBPSは三回らせん軸状に配置され、トポロジーの特性からキラル空間を形成する。このキラル空間は、鋳型とする分子によって制御することができる。アキラルな分子を用いた時は、それぞれの結晶粒は+および-で分晶しているが、全体では+/-の確立が等しいアキラルなバルクの結晶粉末となる。一方で、取り込まれる鋳型分子にエナンチオピュアなものを用いると、その鋳型に応じて+または-の一方のみの結晶粒が得られ、全体でもキラルなバルク結晶粉末となる。スピロビフルオレン骨格は蛍光性を有しており、キラルなバルク結晶粉末からはその+および-に応じた円偏光発光(CPL)が観測された。一方でアキラルなバルク結晶粉末からはCPLは観測されなかった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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