• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

岩石変形実験から考察する珪質泥岩の続成作用と超低周波地震発生域との関連

公募研究

研究領域スロー地震学
研究課題/領域番号 17H05423
研究機関国立研究開発法人海洋研究開発機構

研究代表者

岡崎 啓史  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 高知コア研究所, 研究員 (90784257)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードスロー地震 / 摩擦特性 / 水理特性 / 堆積物 / 沈み込み帯 / 地震
研究実績の概要

本年度は東北沖で採取されたピストンコア試料(KS15-3 Pc07)を用いた高温高圧透水変形実験をおこなった。XRD解析により試料は粘土鉱物(主にスメクタイト、イライト、緑泥石)がおよそ30%、非晶質物質(オパール)がおよそ15%、残りは石英や長石からなっており半遠洋堆積物に分類されることがわかった。
1. 続成作用に伴う透水係数・摩擦強度変化
沈み込み帯で堆積物が被ると考えられる続成作用の効果を調べるために有効圧上昇による圧密と昇温下における水ー岩石反応により透水係数および摩擦強度がどのように変化するのか調べた。有効圧力を0から92MPaまで上昇させると堆積物の浸透率は約一桁減少した。さらに、有効圧92MPa, 温度 100度下で5から8時間“煮込む”ことにより浸透率はさらに一桁減少した。煮込み後の試料の摩擦係数は約0.05減少した。回収試料のXRD分析から煮込み後の試料では長石など無水鉱物の量が減少し粘土鉱物や角閃石などの含水鉱物の量が増加した可能性が示唆されている。摩擦係数の減少については興味深い結果ではあるが回収試料の組織観察やジャケット強度の見積もりなど今後の追加実験で慎重に精査する必要がある。
2. 摩擦特性の温度依存性
有効圧92MPa下で実験温度を常温から230度まで変化させると摩擦係数はおよそ0.5から0.6まで上昇した。一方、摩擦係数の速度依存性は正から負へ遷移し、スティックスリップ挙動を示すようになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一連の実験により本研究を遂行するにあたっての手法を確立することができたので本研究は当初計画どおり概ね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

今後は同様の実験についてより広い温度、有効圧力範囲で行っていくことにより、海底へ堆積した堆積物が沈み込み帯から深部へもたらされるにつれどのような摩擦・水理特性を持つ物質へ変化するか、そしてそれらが地震やスロー地震発生にどのように関わっているか研究を進めていきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] ブラウン大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ブラウン大学
  • [学会発表] The Role of Fluid Distribution on Fault Strength at Deformation Conditions near the Brittle-Plastic Transition2017

    • 著者名/発表者名
      Greg Hirth, Keishi Okazaki, Brooks Proctor
    • 学会等名
      AGU Fall Meeting
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2018-12-17   更新日: 2022-02-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi