公募研究
非リボソーム性ペプチド合成酵素 (NRPS) adenylation (A) domain選択的ラベル化技術を活用した生合成系プロテオミクス解析技術を確立し、非天然型ペプチド性化合物の合理的な設計および生物合成を実現することを目的に本研究を実施した。当該年度は、Aminoacyl-AMS化合物ライブラリーの構築: 20種類の天然アミノ酸を担持したaminoacyl-AMS化合物ライブラリーに加えて、Alkyne、azide、alkeneなどの機能性官能基を有する20種類の非天然アミノ酸を担持したaminoacyl-AMS化合物ライブラリーの構築行った。40種類のaminoacyl-AMS化合物を合成した。A-domainの網羅的機能解析: A-domain選択的ラベル化剤と40種類のaminoacyl-AMS化合物を組み合わせたActivity-based protein profiling (ABPP)を行った。A. migulanus ATCC 9999 (gramicidin S synthetase: 5 A-domains)、B. subtilis ATCC 21332 (surfactin synthetase: 7 A-domains)、P. aeruginosa PAO1 (pyoverdine synthetase: 10 A-domains)など合計29種類のA-domainの網羅的機能解析により、多くの非タンパク質性アミノ酸に基質特異性を有するA-domainを複数見出した。このA-domainを利用することにより、非天然型ペプチド化合物の創製へと展開する。
2: おおむね順調に進展している
生合成系プロテオミクス解析技術を活用することにより、多くの非タンパク質性アミノ酸に基質特異性を有するA-domainを複数見出すことができた。このA-domainを利用することで、非天然型ペプチド系化合物群の生物合成がprecursor-directed biosynthesis (PDB) により実現できると考えている。
ABPPプロファイルを活用し、非天然型ペプチド系化合物の設計を行う。生合成経路上に存在するすべてのA-domainのABPPプロファイルを作製することにより、A-domainの交差基質特異性等を明らかにする。これにより、非天然型ペプチド系化合物の合理的な設計が実現するとともに、培地へ添加するアミノ酸を選別する。次に、ABPPプロファイルに従い、A. migulanus ATCC 9999 (gramicidin S)およびB. subtilis ATCC 21332 (surfactin)に対して、PDBを実施し、部位特異的に天然/非天然アミノ酸をペプチド系化合物へ導入する。さらに、導入した非天然機能性アミノ酸を足掛かりに、合成化学的に非天然型ペプチド系化合物群の構築を実施する。
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