研究実績の概要 |
29年度の研究成果は下記の通りである。 1)ナノファイバー表面上に単一金ナノ粒子の導入を成功し、ナノ粒子をアンテナーとして利用して、ナノファイバーのキラル偏光応答を測定した。ナノファイバーへのカップリングキラル性のスケーリング関数を導出し、データと比べた。この結果はScientific Reportsの論文雑誌に掲載された。[M. Sadgrove et al., Sci. Rep. 7, 17085 (2017)] 2)ナノファイバーとナノグレーティングの複合デバイスを用いる新たな原子トラップの方法を提案した。グレーティングはファイバー伝搬モードに対して共振モードを生成し、及び外部電場に対して回折格子として役立て、ファイバー表面から数100nm程度離れたトラップ格子が実現可能だと証明した。この方法で原子とナノフォトニック共振モードの最適な結合が自動的になり、重要な提案だと考えられる。この結果はNew Journal of Physicsの論文雑誌に掲載された。[M. Sadgrove and Kali Nayak, New J. Phys. 19, 063003 (2017). 3)光引力実験の準備として、新たな顕微光学系を組み立てた。この光学系を利用し、150nm程度の金ナノ球の光圧輸送を実現できた。また、輸送速度の光パワーの依存性を求めて、理論上の結果と比べた。今回の高圧輸送実験の重要な特性の一つは必要なパワーがmW程度で、レーザーポインターと同じようなレベルであった。以上から、市販的な応用でも向いていると考えられる。この結果は日本物理学会第73回年次大会で発表された。 4)冷却原子の生成に成功した。中性ルビジウム原子のレーザー冷却装置と組んで、ナノファイバーの表面と近くに原子集団の生成もできた。
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