研究領域 | 光圧によるナノ物質操作と秩序の創生 |
研究課題/領域番号 |
17H05469
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
杉浦 忠男 崇城大学, 情報学部, 教授 (60304010)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 光ピンセット / ブラウン運動 / マイクロマニピュレーション |
研究実績の概要 |
本研究では、光ピンセットで微小物体を捕捉した際に起こる微小物体のブラウン運動を、アクティブかつ高速に制御することを目的としており、本年度は3次元位置信号を光ピンセット装置にフィードバックする系を構築した。ブラウン運動を制御するには、時々刻々と変化する捕捉物体の位置を計測し、それを元の位置に戻すフィードバック系が必要であるが、これまで2次元位置のみフィードバックして制御する方法が行われていた。3次元位置信号を得るために本研究では、高開口数の対物レンズを通して観察した対象物の像を16分割検出器で検出し、機械学習の手法を用いて信号処理することで光軸方向の変位情報を得られることを示した。また領域会議において、非点収差を用いても軸方向の変位を計測している情報を得て、系に取り入れることにして、4分割検出器を導入するための改造を行った。一方、光ピンセットへ3次元位置をフィードバックするために、デフォーマブルミラーを導入した。デフォーマブルミラーでは反射面を微小に変形させることで波面を制御し、レーザービームの集光位置を3次元的に変えることができる。同様の制御は空間光変調器で行うことが多いが、デフォーマブルミラーの方が応答速度で勝ることから、デフォーマブルミラーを選択した。また、3次元位置情報からデフォーマブルミラーの制御信号を生成する制御系として、パーソナルコンピューターを介して系を構築し、条件によってフィードバック特性を変えられることが特徴である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
デフォーマブルミラーを選定し、系に導入することに時間がかかったが、計測プログラムや制御プログラム等の開発は同時進行しており、動かせばすぐに実証実験に掛れるようになっている。
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今後の研究の推進方策 |
フィードバック系を構築できたので、その実証実験を進めるとともに、対象物の安定性の向上を示し、さらにこれまでトラップが困難であったナノサイズの粒子をトラップできることを確認する。
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