研究領域 | 光圧によるナノ物質操作と秩序の創生 |
研究課題/領域番号 |
17H05472
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
山本 泰之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (00398637)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ソレー効果 / 熱拡散 / レーザー加熱 / 十文字 / ナノ粒子 |
研究実績の概要 |
本研究では,ソーレー効果を応用した液体中の溶質分子の非接触輸送方法として独自に提案している「サーマル分子ピンセット」の技術を,光圧を用いたナノ物質のトラップ技術と融合することで,新規の分子操作技術の創出を目的として開発を進めている. 初年度は,サーマル分子ピンセット技術による単一ナノ粒子のトラッピングと輸送を目指して,装置構成の改良を行った.倒立顕微鏡を応用したシステムに,近赤外レーザーによる十文字状加熱パターン照射系や,蛍光粒子励起光ラインなどを製作・設置した.十文字状のパターンは従来の一辺200マイクロメートルの大きさから,一辺60マイクロメートルにまで縮小することができたが,さらなる線幅の縮小は出力ファイバーのコア径の制約で困難であった.そこで次年度はシングルモードファイバーを用いた加熱用レーザーを導入し,高効率な分子輸送を実現する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光技術を融合する方法について,模索が続き,次の開発目標を明確に定めることが難しかったが,加熱用や励起用の各種のレーザーとその光学系などの構築は進められ,機器改良の面では大幅な進歩が見られた.
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今後の研究の推進方策 |
加熱用パターンの更なる線幅の狭小化を行い,大きなソーレー効果を発生させることで,効率的なナノ粒子のトラップと輸送技術を確立する.光圧技術とサーマル分子ピンセットを結び付け,サーマル分子ピンセットによるバルク空間の輸送と,光圧技術によるナノ空間でのトラッピングを組み合わせることで,目的のナノ粒子を目的の場所に届け,光圧による各種デバイスでの機能発現をアシストするナノ粒子デリバリーシステムの開発を目指す.
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