• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

細胞死に伴い産生されるリゾリン脂質の機能解明

公募研究

研究領域細胞死を起点とする生体制御ネットワークの解明
研究課題/領域番号 17H05494
研究機関東北大学

研究代表者

青木 淳賢  東北大学, 薬学研究科, 教授 (20250219)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード酸化リン脂質 / GPCR / 接触性皮膚炎
研究実績の概要

近年、我々は脂質応答性GPCRのスクリーニングから、不飽和脂肪酸、特に炭素数18、不飽和結合2つからなるリノール酸を2本有するリン脂質の酸化物受容体としてMRGX4を同定した。興味深いことに、本受容体を過剰発現させたHEK293細胞は発現量依存的に細胞数が減少し、ゼブラフィッシュは胚死した。これらの現象は抗酸化剤によってレスキューされたことから、本受容体は内在で産生される酸化物を認識し、細胞死を誘導する可能性が示唆されている。しかし、MRGX4は霊長類にのみ保存され、マウスにおけるオルソログが存在せず、KOマウスの解析等、マウス個体レベルでの解析が困難であった。
本年度は、個体レベルでのMRGX4機能に関する研究を目的とし、①MRGX4のマウスにおける機能的ホモログの同定、また、②免疫系細胞に着目した酸化リン脂質の個体レベルでの薬理作用、作用標的の解析を行った。
まず、酸化ジリノレオイルPGに応答するMRGX4マウスホモログとしてMrgb5を同定した。Mrgb5は酸化ジリノレオイルPSにも弱く反応したが、その他の酸化ジリノレオイルリン脂質には非常に弱い応答性しか示さなかった。また、酸化ジリノレオイルPGがマウス接触性皮膚炎モデルで炎症反応を顕著に抑制することを見出した。この酸化ジリノレオイルPGの薬理作用がMrgb5を介するかどうかを明らかにするために、Mrgb5 KOマウスの作成を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

細胞死を誘導する酸化リン脂質受容体に初めて同定し、炎症反応の抑制に関与する可能性を見出した。これらはいずれも新規性の高い課題である。

今後の研究の推進方策

酸化ジリノレオイルPGの接触性皮膚炎緩和作用が、同定したMrgb5受容体を介するかを証明すること、内在性の酸化ジリノレオイルPGが検出されるか、さらに、内在性の酸化ジリノレオイルPGがMrgb5を介して機能することを証明する必要がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Measurement of plasma choline in acute coronary syndrome: importance of suitable sampling conditions for this assay.2018

    • 著者名/発表者名
      Ohkawa R, Kurano M, Sakai N, Kishimoto T, Nojiri T, Igarashi K, Hosogaya S, Ozaki Y, Dohi T, Miyauchi K, Daida H, Aoki J, Okubo S, Ikeda H, Tozuka M, Yatomi Y.
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 8 ページ: 4725

    • DOI

      10.1038/s41598-018-23009-x.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 酸化脂質に応答する霊長類特異的受容体、MRGX4のマウス機能的ホモログの同定2017

    • 著者名/発表者名
      岸 貴之、井上 飛鳥、青木 淳賢
    • 学会等名
      ConBio2017

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi