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2017 年度 実績報告書

切断軸索からのダイイングコード

公募研究

研究領域細胞死を起点とする生体制御ネットワークの解明
研究課題/領域番号 17H05501
研究機関名古屋大学

研究代表者

久本 直毅  名古屋大学, 理学研究科, 教授 (80283456)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード神経軸索再生 / C. エレガンス
研究実績の概要

これまでの解析から、研究代表者はダイイングコードであるホスファチジルセリンが神経軸索の切断領域に蓄積すること、またその蓄積はCED-7によって切断された神経から放出されること、さらにそれがインテグリンを介してJNK MAPキナーゼカスケードを活性化することで、近位側の軸索の再生を誘導することなどを示すデータを得ていた。今年度は、神経軸索再生を制御するホスファチジルセリンが、再生する神経で産生されることが必須なのか、それとも外部からの供給によっても再生を誘導できるかについて検討した。再生の有無を調べるD型運動神経は、PLM神経と体側部で直交していることが知られている。そこで、ced-7変異体においてPLM神経でCED-7を特異的に発現させ、D型運動神経だけを切断した場合について再生率を検討したところ、D神経の再生率は低いままであった。一方、PLMとD型運動神経を同時に切断した場合には、D型運動神経の再生率が回復した。一方、PLM神経でCED-7を発現させない場合には、PLMとD型運動神経を同時に切断しても再生率の回復は見られなかった。以上のことから、再生を促進するホスファチジルセリンは、必ずしも再生する神経で産生される必要がなく、別の神経からも切断によりCED-7依存的に供給しうることが示唆された。さらに、新たな知見としてSVH-13がホスファチジルセリンシグナルをインテグリンに伝達するのに必要なだけでなく、ホスファチジルセリンの切断領域への蓄積にも必要であることも判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

データがほぼ出揃い、論文の投稿を始めている。

今後の研究の推進方策

論文が受理されるよう、要求される実験を含め様々な実験を進めてゆく予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] DBS-TIFR(インド)

    • 国名
      インド
    • 外国機関名
      DBS-TIFR
  • [雑誌論文] UNC-16/JIP3 regulates early events in synaptic vesicle protein trafficking via LRK-1/LRRK2 and AP complexes.2017

    • 著者名/発表者名
      Choudhary B, Kamak M, Ratnakaran N, Kumar J, Awasthi A, Li C, Nguyen K, Matsumoto K, Hisamoto N, Koushika SP.
    • 雑誌名

      PLoS Genetics

      巻: 13 ページ: e1007100

    • DOI

      10.1371/journal.pgen.1007100

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Heavy Metal Stress Assay of Caenorhabditis elegans2017

    • 著者名/発表者名
      Pastuhov Strahil、Shimizu Tatsuhiro、Hisamoto Naoki
    • 雑誌名

      BIO-PROTOCOL

      巻: 7 ページ: e2312

    • DOI

      10.21769/BioProtoc.2312

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Signal transduction cascades in axon regeneration: insights from C. elegans2017

    • 著者名/発表者名
      Hisamoto Naoki、Matsumoto Kunihiro
    • 雑誌名

      Current Opinion in Genetics & Development

      巻: 44 ページ: 54~60

    • DOI

      10.1016/j.gde.2017.01.010

    • 査読あり
  • [学会発表] N-glycosylation is required for axon regeneration in Caenorhabditis elegans through modification of discoidin domain receptor.2017

    • 著者名/発表者名
      Takeo M, Kato Y, Matsumoto K, K, Hisamoto N
    • 学会等名
      21st International C. elegans Conference, Los Angeles, USA
    • 国際学会
  • [学会発表] The role of serotonin in C. elegans axon regeneration.2017

    • 著者名/発表者名
      Hisamoto N
    • 学会等名
      International Workshop on NeuroScience, Nagoya, Japan
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 線虫EnigmaホモログによるRhoキナーゼシグナルを介した神経軸索再生制御2017

    • 著者名/発表者名
      清水達太、松本邦弘、久本直毅
    • 学会等名
      2017年度生命科学系学会合同年次大会
  • [学会発表] 線虫においてコンドロイチン硫酸は加齢依存的な神経軸索の再生能低下に関与する2017

    • 著者名/発表者名
      竹生実希子、松本邦弘、久本直毅
    • 学会等名
      2017年度生命科学系学会合同年次大会

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公開日: 2019-12-27  

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