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2017 年度 実績報告書

二次嗅覚並行回路の機能的シフトの研究

公募研究

研究領域行動適応を担う脳神経回路の機能シフト機構
研究課題/領域番号 17H05587
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

平田 たつみ  国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 教授 (80260587)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード誕生日タグづけ / マウス / 嗅覚 / 行動
研究実績の概要

神経回路機能を理解するためには、それをサブ回路に分離する技術が鍵となる。代表者が開発した新規技術「神経細胞の誕生日タグづけ法」は、トランスジェニックマウス系統を用いて、神経細胞の誕生日依存的に遺伝子組換えを誘導するシステムである。「誕生日」という神経細胞の新たな分類を可能にし、その分類に基づいた神経細胞の機能操作ができる。本研究では、この新規技術を用いて、以下の2つの取り組みを行なった。
1) 多くの神経系において「誕生日」は神経細胞の有用な分類になるので、この技術は様々な脳領域の研究者にとって有用であると期待される。未発表のこの新規技術を領域会議等で紹介することで、領域内共同研究の開拓につとめた。本年度は新規に2件4系統の誕生日タグづけマウスを領域内研究者に提供し、合計4件8系統について領域内の共同研究を推進した。
2) 代表者は「神経細胞の誕生日タグづけシステム」を用いて、誕生時期の違う嗅球の投射神経細胞が、各々分離可能なサブ回路を形成することを見いだしている。遅生まれの房飾細胞は、軸索を非常に限られた領域に収束させており、他の嗅球神経細胞とは独立した神経回路を作っている。これらの神経回路特異的な神経活動の操作を目指しているが、遺伝子サイレンス等による影響から計画通りに研究が進められず困っていた。本領域の領域班員からのアドバイスや支援活動のおかげで、ウイルスベクターを使えれば現在抱えている問題を回避できることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

二次嗅覚系の神経細胞の神経活動を制御する方法が計画通りいかず、当初の計画が遅延してしまったが、ウイルスベクターを用いれば問題を回避できることがわかった。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画を変更して、本研究領域の支援班からウイルスベクターの提供を受け、これを用いて効率的に研究を進める。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Expression patterns of Sema3A in developing amniote limbs: with reference to the diversification of peripheral nerve innervation.2017

    • 著者名/発表者名
      Noguchi, K., Ishikawa, R., Kawaguchi, M., Miyoshi, K., Kawasaki, T., Hirata, T., Fukui, M., Kuratani, S., Tanaka, M., and Murakami, Y.
    • 雑誌名

      Dev. Growth Differ.

      巻: 59 ページ: 270-285

    • DOI

      10.1111/dgd.12364

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Netrin-1 derived from the ventricular zone, but not the floor plate, directs hindbrain commissural axons to the ventral midline.2017

    • 著者名/発表者名
      Yamauchi, K., Yamazaki, M., Abe, M., Sakimura, K., Lickert, H., Kawasaki, T., Murakami, F., and Hirata, T.
    • 雑誌名

      Sci. Rep.

      巻: 7 ページ: 11992

    • DOI

      10.1038/s41598-017-12269-8.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Labeling of neurons derived from intermediate neuronal progenitors in the mouse cerebral cortex2017

    • 著者名/発表者名
      Y. Hatanaka, T. Hirata and Y. Kawaguchi
    • 学会等名
      第40回日本神経科学大会
  • [学会発表] Development and application of neuronal birthdate tagging2017

    • 著者名/発表者名
      T. Hirata
    • 学会等名
      NIG Symposium: Circuit construction in the mammalian brain
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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