今後の研究の推進方策 |
昨年度完成させたAUG型CPuORFの同定手法ESUCA法の非AUG(CUG, UUG, GUG, ACG, AGG, AAG)の対応化を行う。また、CPuORFと疾患との関連解析・実験的な機能検証を行う。NCBI のdbSNPなどの多型情報データベースには、ヒトに関するSNPだけでも、5000万以上も登録されており、このうち約半数が、遺伝子外に存在し、残り半分の遺伝子内に存在するSNPの半分以上が、5'UTR、3'UTR、イントロン上にある。これまで、特に、「アミノ酸置換を伴うcoding SNP (cSNP)」や「プロモーター位置にあるregulatory SNP (rSNP)」が、疾患関連多型として注目されてきた。一方で、仮に、他の種類のSNP (iSNP、gSNPなど) が、統計的に有意に疾患と関連していても、解釈困難で、ほとんどのものは放置されてきた。本提案や本領域で網羅的同定したCPuORFのデータベースと、dbSNPの情報をつき合わせることで、疾患関連の新SNPを同定することが可能となる。国立がん研究センターなどで得られたがんオミックスデータにおけるSNP及びCNV等の構造多型データ、SNV及びIndelなどの変異やweb上のCOSMIC(Catalogue Of Somatic Mutations In Cancer)など後天的な体細胞変異のデータベースも活用し、疾患と関連するCPuORFを同定する。強く疾患と関連するCPuORFは、一過性発現系を用いて、実験的に機能の有無を検証する。
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