研究領域 | 新生鎖の生物学 |
研究課題/領域番号 |
17H05680
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
清水 義宏 国立研究開発法人理化学研究所, 生命システム研究センター, ユニットリーダー (90401231)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 無細胞タンパク質合成 / リボソーム / 次世代シーケンス解析 |
研究実績の概要 |
タンパク質合成系の鋳型となる核酸が保持する配列情報は、単純に遺伝暗号表に基づくアミノ酸配列を規定しているだけでなく、より複雑な階層構造を持つ情報を保持し、タンパク質合成系における翻訳に影響を与えていることが近年分かってきている。こうした階層構造をより定量的に記述し、明らかにしていくために、本研究では次世代シーケンサおよび再構成型無細胞タンパク質合成システムであるPUREシステムを利用し、鋳型核酸配列が持つ二次・三次的な構造情報がリボソームにおける翻訳反応にどのような影響を与えているのか、その一般性または特異性についての解析を行う。本年度は、開始・伸長・終結などの翻訳の各段階に対して影響を与えうる鋳型核酸の特定の配列部位にランダム変異領域を導入した核酸ライブラリを調製し、リボソームディスプレイ選択を用いた配列の濃縮度合いを調査するための準備を整えた。さらに、特定の20アミノ酸程度の定まった配列の下流に、1500種類弱のペプチド配列を付加させたペプチドライブラリの合成を、PUREシステムを用いて行った。これら合成ペプチドに対し、研究代表者がこれまで構築してきた質量分析器を用いたタンパク質またはペプチドの定量方法(MS-QBiC法)を利用した、それらペプチドの合成量情報の取得を行っている。ここで得られた合成量情報から翻訳速度に影響を与えうるもしくは与えない配列情報を抽出し、リボソームプロファイリングなどを用いた詳細な解析を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タンパク質合成反応における各段階の過程について調査するべく、順調に研究を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度が最終年度であるため、これまで準備を行った系について精力的に解析を行っていく予定である。
|