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2017 年度 実績報告書

SPECTによるタウイメージング法の開発

公募研究

研究領域脳タンパク質老化と認知症制御
研究課題/領域番号 17H05694
研究機関京都大学

研究代表者

小野 正博  京都大学, 薬学研究科, 教授 (80336180)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードタウ / SPECT / アルツハイマー病 / イメージング
研究実績の概要

アルツハイマー病の病理像として、βアミロイドを主成分とする老人斑とタウを主成分とする神経原線維変化が知られている。特に神経原線維変化はADの進行度と良く相関することから、最近タウを標的とした生体イメージング研究が活発に行われている。特に、タウを標的としたSPECTイメージングプローブの開発が期待されている。これまでに、アミノ基を有する放射性ヨウ素標識ベンゾイミダゾピリジン(BIP)誘導体(BIP-NH2, BIP-NHMe, BIP-NMe2) がSPECT用タウイメージングプローブとして有効な基礎的性質を有することを報告してきた。今年度は、これらに加えて、種々のアミノ基を導入した新規BIP誘導体(BIP-NHEt, BIP-NEt2, BIP-NHPr, BIP-NPr2)を設計・合成し、構造活性分布相関を検討した。AD患者剖検脳切片におけるin vitro ARGを行った結果、BIP-NHEt, BIP-NEt2, BIP-NHPr はタウ免疫染色陽性部位にのみ高い放射能集積を示し、アミノ基の種類がタウ選択的結合性に寄与することを認めた。タウ選択的結合性は、既報のBIP-NMe2が最も高く、BIP-NHEt, BIP-NEt2の順となった。さらに、正常マウスを用いた体内放射能分布実験の結果、いずれのBIP誘導体も投与早期における脳移行性およびその後の迅速な脳からのクリアランスを示した。特にBIP-NHEtが最も良好な脳内挙動を示した。以上の結果より、BIP誘導体におけるアミノ基がタウ選択的結合性および脳内挙動に寄与し、最適なアミノ基の存在が示唆された。臨床応用を見据えた総合的な性能を考慮すると、BIP-NMe2が最もタウSPECTイメージングプローブとして有用であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

臨床応用可能な高性能な候補化合物を見出すことができたことから、当初の計画以上に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

今年度までに、I-123標識化合物については、臨床応用可能な高性能プローブの開発に至った。今後は、I-123に比べて汎用性に優れたSPECT核種であるTc-99mを標識核種に用いる検討を進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Structure-Activity Relationships of Radioiodinated Benzoimidazopyridine Derivatives for Detection of Tau Pathology2018

    • 著者名/発表者名
      Kaide S, Ono M, Watanabe H, Kitada A, Yoshimura M, Shimizu Y, Ihara M, Saji H.
    • 雑誌名

      ACS Med. Chem. Lett.

      巻: 9 ページ: 478-483

    • DOI

      10.1021/acsmedchemlett.8b00092

    • 査読あり
  • [学会発表] アルツハイマー病脳内タウを標的とした放射性ヨウ素標識ベンゾイミダゾピリジン誘導体に関する構造活性相関研究2017

    • 著者名/発表者名
      貝出 翔, 小野 正博, 渡邊 裕之, 志水 陽一, 佐治 英郎
    • 学会等名
      日本薬学会 第138年会

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公開日: 2018-12-17  

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