公募研究
我々はパーキンソン病(PD)の解明の為に、ヒトPD患者由来の異常折りたたみαシヌクレイン蛋白質をマウスに投与することで、よりヒトに近いPDの病態再現及び解明を目指す。平成29年度は、我々はαシヌクレインのduplicationであるPARK4患者由来iPS細胞を取得し、ドパミン神経細胞へと分化誘導する事で患者由来の病的なドパミン神経細胞の作成を行った。分化誘導時の培養方法に関しても検討を行い振盪培養法でαシヌクレインの発現が増加することを見出した。また、生化学的解析にてコントロール細胞と比してPARK4患者由来ドパミン神経細胞はαシヌクレインの発現増強を確認した。それらPARK4患者由来ドパミン神経細胞のマウス黒質への移植実験を行い、移植細胞の生着を確認した。更にPD患者由来の異常折りたたみαシヌクレイン蛋白質を取得する新たなアプローチとして、RT-Quic法を用いてPD患者由来のαシヌクレイン凝集体の増幅を試みた。PD患者由来の髄液をサンプルとして大腸菌由来の組み換えαシヌクレインと反応させることでPD患者由来αシヌクレイン凝集体の増幅に成功した。また、異常折りたたみαシヌクレイン蛋白質の伝搬機構に関する解析に関してはSH-SY5Y細胞にαシヌクレイン凝集体を導入後にグリア細胞由来のKG1C細胞の共培養を行った。本来αシヌクレインを発現していないKG1C細胞内にαシヌクレインの存在を免疫染色法で確認した。これらの結果よりneuron to gliaでのαシヌクレイン凝集体伝播の可能性が見出された。
2: おおむね順調に進展している
平成29年度は、我々はαシヌクレインのduplicationであるPARK4患者由来iPS細胞を取得し、ドパミン神経細胞へと分化誘導する事で患者由来の病的なドパミン神経細胞の作成を行った。平成29年度は、我々はαシヌクレインのduplicationであるPARK4患者由来iPS細胞を取得し、ドパミン神経細胞へと分化誘導する事で患者由来の病的なドパミン神経細胞の作成を行った。分化誘導時の培養方法に関して検討を行い振盪培養法でαシヌクレインの発現が増加することを見出したまた、予備実験としてコントロールiPS細胞から分化誘導させたドパミン神経細胞の移植実験を行い、その実験手技に関する条件検討および手技の確立を行った。PARK4患者由来iPS細胞由来ドパミン神経細胞へマウス黒質への移植実験を行い、移植細胞の生着を確認した。更に新たなアプローチとして、RT-Quic法を用いてPD患者由来のαシヌクレイン凝集体の増幅を試みた。PD患者由来の髄液をサンプルとしてPD患者由来αシヌクレイン凝集体の増幅に成功した。また、SH-SY5Y細胞にαシヌクレイン凝集体を導入後にグリア細胞由来のKG1C細胞の共培養を行った。本来αシヌクレインを発現していないKG1C細胞内にαシヌクレインの存在を免疫染色法で確認した。これらの結果よりneuron to gliaでのαシヌクレイン凝集体伝播の可能性が見出された。この様に平成29年度の進捗状況は順調であると考える。
PARK4患者由来iPS細胞由来ドパミン神経細胞に関してはin vitroでの解析を行い、αシヌクレインの細胞内での状態の免疫染色および生化学的解析を行い評価する。PARK4患者由来iPS細胞由来ドパミン神経細胞へマウス黒質への移植実験に関しては行動解析と病理解析を行い、αシヌクレインの伝播について確認する。RT-Quic法を用いてPD患者由来のαシヌクレイン凝集体の増幅に関しては今後再現性を確認し蛋白科学的に増幅された凝集体の解析を行う。SH-SY5Y細胞とKG1C細胞の共培養によるneuron to gliaでのαシヌクレイン凝集体伝播に関してはその伝搬の分子機序の解析を試みる。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件)
The British Journal of Radiology
巻: 2 ページ: 20180037
10.1259/bjr.20180037
EMBO reports
巻: 19 ページ: e44860
10.15252/embr.201744860
Scientific Reports
巻: 8 ページ: 1400
10.1038/s41598-018-19664-9
Neuropathology
巻: 38 ページ: 11-21
10.1111/neup.12412
Nature Neuroscience
巻: 21 ページ: 625-637
10.1038/s41593-018-0109-1
Neurophotonics
巻: 4 ページ: 045003
10.1117/1.NPh.4.4.045003