公募研究
脳に存在するニューロン(神経細胞)の大部分は、胎生期あるいは生後の発達期に作られる。しかし、多くの動物種において、嗅覚情報を処理する嗅球では、成体でも継続的にニューロンの細胞死と再生が起こっている。以前研究代表者らは、ニューロンが細胞死を起こした場所に、同じ種類のニューロンが再生する、嗅覚入力依存的メカニズムを見出した。本研究では、この連動機構に、嗅覚刺激による血流上昇が関わっているかどうかを検証することを目的としている。本目的のため、様々な実験手法を用いて、嗅覚入力依存的なニューロンの除去と再生における血流の役割を明らかにする。平成30年度は、次の研究を行った。1)血管周囲環境の電子顕微鏡解析:昨年度に引き続き、死んだ嗅球ニューロンのミクログリアによる貪食とその後の再生過程を、隣接する血管の微小環境とともに、電子顕微鏡を用いて解析した。2)ニューロン再生する血管の特性解析:ニューロンが血管の周囲に定着しやすいことが確認されているが、その血管の種類については十分に解析されていない。昨年度に引き続き、各々の種類の血管の周囲におけるニューロン再生を解析した。3)嗅球内を移動する新生ニューロンと血管の関係の解析:脳室下帯で産生されるニューロンは嗅球内を移動して適切な場所で停止する。この移動の最終過程において血管がどのように関わっているのかを明らかにするための実験を実施した。4)ニューロンの細胞死・再生の促進機構の解析:嗅球内の血流が細胞死・再生の制御に関与している可能性を調べるための実験系を構築した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 7件、 招待講演 10件) 備考 (5件)
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