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2017 年度 実績報告書

ヒト・マウスiPSを用いた網膜発生時間制御のヒストンメチル化による制御機構の解析

公募研究

研究領域脳構築における発生時計と場の連携
研究課題/領域番号 17H05760
研究機関東京大学

研究代表者

渡邉 すみ子  東京大学, 医科学研究所, 特任教授 (60240735)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード網膜 / マウス / 発生 / ヒストンメチル化
研究実績の概要

網膜は6種類に大別される神経細胞とミューラーグリアで構成され、発生の時間軸に従って、各細胞系列が逐次的に共通のプロジェニター細胞から分化を遂げる。マウスと人の発生の時間軸が、網膜においても異なることを利用して、この時間軸の制御にヒストンH3K27のメチル化がどのように拘るのかを検討することを目的とした。human, mouse iPSの混合網膜誘導培養の系の樹立を試みていたが、それぞれ異なる条件で培養する細胞の混合培養は、様々な条件を試したもののお互いに排除し、混合された条件での培養は困難であったためこの系の利用を断念した。そこで、すでに作成していた網膜細胞系列特異的H3K27me3/ChIP-seqデータを詳細に解析し、網膜細胞系列特異的、発生段階特異的な変動を解析するのみならず、機能グループによって遺伝子を分類し、ヒストンメチル化と遺伝子発現パターンの関連を検討したところ、遺伝子の機能特異的なパターンを示すことを見出した。特に転写因子は、発生段階特異的なヒストンメチル化制御を強く受ける可能性が示唆された。一方、ヒストンH3K27のメチル化酵素であるEzh2をノックアウトしたマウスでは網膜発生の時間軸の前倒しが観察されたが、これがグリア、神経にかかわらず、全ての系列で発生時間が圧縮されていることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究方法の大きな変更はあったものの、別の方法により網膜分化の時間軸制御の分子メカニズムを示唆する研究結果を得ることができた。

今後の研究の推進方策

今回の成果に基づき、ヒストンメチル化制御による網膜発生時間軸をさらに複数種類のノックアウトマウスを組み合わせて検討していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Molecular mechanisms of H3K27me3 and H3K4me3 in retinal development2019

    • 著者名/発表者名
      Iwagawa Toshiro、Watanabe Sumiko
    • 雑誌名

      Neuroscience Research

      巻: 138 ページ: 43~48

    • DOI

      10.1016/j.neures.2018.09.010

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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