公募研究
研究代表者らは、制御性T細胞が紫外線照射にて皮膚のCD4+T細胞の約60%にも増えることを見出した。制御性T細胞は、通常は末梢CD4+T細胞の5-10%を占め、自己免疫疾患の発症を抑制している重要な免疫担当細胞である。将来、紫外線で増える制御性T細胞を利用した新しい自己免疫疾患の治療法に貢献することを目指し、本研究を遂行した。制御性T細胞は、紫外線により皮膚からレリースされた自己抗原を「ネオ・セルフ」として提示する樹状細胞から抗原提示されて増殖し、自己免疫疾患の発症を抑制していると仮定し、これを証明するために研究を行った。その結果、本公募研究期間の成果として、紫外線で誘導されたネオ・セルフの抗原提示を制御性T細胞に行っている皮膚の樹状細胞サブセットを同定できた(Yamazaki S*et al. J Immunol 2018 *Corresponding author)。この皮膚の樹状細胞サブセットは、従来信じられていた表皮ランゲルハンス細胞とは異なるサブセットであった。さらに、紫外線でネオ・セルフの抗原提示を行う皮膚樹状細胞サブセットにユニークな遺伝子発現プロファイルも発見することができた。これらの発見は、15th International Workshop on Langerhans Cells、International Investigative Dermatology2018、Japan Singapore Skin Research Conference 2019で口演に選ばれ、国際的にも注目されている。現在解析を継続しており、紫外線で誘導されたネオ・セルフと制御性T細胞による新たな治療戦略の基盤となる成果を得ることができた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
Nagoya Immunology Network in NCU第一回国際シンポジウムを2019年3月11日に主催し、本研究成果を含む研究成果の発表を行った。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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